水星の魔女〜あざとい百合スタートの裏には、真の展開とメッセージが存在している

機動戦士ガンダム〜水星の魔女
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機動戦士ガンタム水星の魔女が始まりましたね。0話〜1話にかけて評判よく先が期待できる作品になっていました。

えー、で、多くの視聴者が抱いたであろう簡単な印象としては──

  1. 百合
  2. 導入はウテナ。
  3. あざとい仕込み多そう。

とかでしょうか。

なんでしょうね、ガール・ミーツ・ガール流行ってるんですかね? いや、たぶん偶然かぶっただけだと思いますけど、タイミング的に何かの作品のロスを補ってくれるアニメになりそうな気配もありますね。

今回は水生の魔女0話〜1話、そしてそれらの中間を埋める公式小説「ゆりかごの星」を見て、気づいた作品上、企画上についていくつか解説しつつ、今後の予想をしていきたいと思います。作品視聴の参考になれば幸いです。

さて、分かる範囲で作品分解していきましょう。

百合とウテナ

水星の魔女、0話〜1話というのは非常に面白かった&かっこよかったんですね。目につくのは、ガール・ミーツ・ガールとウテナ感、そしてサービス精神です。

まだ見ていない人に作品の導入をざっと説明すると──

「数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。とある人類グループは宇宙に進出するためにガンドアームとよばれる、身体拡張が可能なMSを開発していました。しかし、それを危険だと考えた企業グループが研究所を襲撃します。研究所は破壊されますが、からくもガンドアームと主人公の幼子、そして母親が水星に落ち延びることに成功しました。そして時は流れ──モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」に、辺境の地・水星に逃げおおせた幼子──1人の少女スレッタが編入してきました」

そんな導入ですね。

ガンダムを携えたスレッタ学園でヒロイン他いろいろな生徒らに出会う訳ですが、その学園には決闘という制度があり、それによってトップになった生徒は、その学園に通うベネリットグループの娘ミオリネと結婚することができるというような設定になっています。

生徒らは、ベネリットグループの全てを手に入れるために競ってMS戦を行うような流れになっています。学園にはミオリネを狙う男女が溢れており、1話ではその中のひとりが主人公のスレッタと諸事情あって決闘をする流れになっていました。その結果、彼女は相手を退け、ミオリネを獲得します。この設定、展開こそ微妙に違いますが、少女革命ウテナを思い起こさせますね。

もし同作が、学園モノかつ、ヒロイン奪い合い決闘物語をつづけるのだとしたら、それはウテナ×ガンダムってことです。キャラもウテナみたいにいるわけじゃないので、さすがにそれを続ける事はないと思いますが、これはこれでわかりやすい。そしてそれが普通におもしろいから困りました。

こう見てゆくと、同作いろいろと設定があざといなー、などと思うのですよ。

あざとい設定とキャラ配置に盤石の制作陣

さて、主人公スレッタは先に述べたとおり決闘に勝ちましたから、ガール・ミーツ・ガールを経て、ミオリネとペアになります。

スレッタはたぬき顔の素朴少女で、ミオリネが気の強いお嬢様ですね。このコンビがベースとなります。その周辺には魅力的な男女が揃っています。レギュラーイケメンは三名か。俺様、クール系、ゴージャス遊び人?その他にもパイロット候補生の女子らがいますね。彼らがスレッタと戦うかどうかわかりませんが、分かりやすい属性がふられていて、男女ともにターゲットが明確です。あざとい。キャラ配置があざとい。

で、おじさんたちに向けた部分でいえば、さらにそこにユニコーンガンダムや閃光のハサウェイ的なクオリティでもってMS戦闘が組み込まれている訳です。

これは全性別、全年齢層に向けた、学園×萌え×腐×ガンダムメカですよ。どんだけの幅広く層取りに来ているんだ、と。

ちなみに監督は、小林寛さんという方で、監督作でいうとキズナイーバー、そしスプリガンとか、ひそねとまそたんとか。いくつかのガンダムやナベシンさんの作品なんかにも参加した経験のある、演出とコンテの多いべテランさんです。

で、脚本が大河内一楼さん。こちらも∀ガンダムを皮切りに、いろいろ携わり、シリーズ構成でいうと、プラテネス、革命機ヴァルヴレイヴや、甲鉄城のカバネリ等に参加しているベテランです。あと、ウテナの小説版を書いたり。そうなんです、大河内さんはウテナにも関わっているのですね。ですから、他の作品も含めて、作中のノリや設定には「なるほど」という、納得感があります。

そして、企画としては「全世界の10代を中心とした若年層ファン獲得を目標に大型展開を実施するとしている」のだそうですが──手ぇ広げすぎじゃないですかね、サンライズさん。

気になるのが「全世界の若年層ファン獲得」というあたりですよね。

これだけのキャラ配置と設定を盛り込んで、さらにエンディングにYOASOBIまでつかって「キミらこういうの好きでしょ?」をやっています。ですが、全世界でヒットを狙うとなると──果たしてどうなることか、否応なしに期待が膨らみます。

今後水星の星でありそうな展開

プロローグから1話までて、ざっと触れた情報から予測する、今後ありそ〜な展開は──

  1. 学園モノ部分ではウテナ的な展開で、スレッタとミオリネの関係が深まりつつ、幾人かの生徒らと決闘展開。──1話からキャラを小出しにしつつウテナ展開をしていたので、それはちゃんとやったほうが面白いでしょう。見たいです。ウテナノリのガンダム。
  2. ガンダムがガンドアームであることがバレて、スレッタに危機。──どう考えてもガンダムがバレるので、そこからドラマ展開あるでしょう。
  3. 同時に、企業間の抗争を経て戦争展開(2期にずれこむか?)──ガンダムは戦争物なので戦争展開はあるでしょう。どうもキャラクターにはそれぞれ出身や家柄の違いによる差別があるっぽいので、それが後の勢力に分かれるかもしれません。しかし1期は学園で戦争は二期になるかも?
  4. 地球に行ってミオリネとの母との話がある。──ミオリネが菜園を介して母に言及していたので、父に反抗する形で母の思いを拾いに行く展開がある。彼女のモチベーションは地球に向いているしね。
  5. 水星に行って、スレッタと母との話がある。──一方のスレッタも母の想いを持っているので、いずれ水星に戻る話がありそう。その際の理由は、ガンダムが壊れて新機体を取りに行くとかありそうですね。
  6. 学園の男子や女子の何名かは戦争で死ぬ。──人が死なないとガンダムじゃありません。さて誰が死ぬかな?

0話〜1話を見た表面上はこんな感じ。

この程度であれば、予想の範囲内ですが、ガンダムの名を関しているのであれば、これだけだとちょっと物足りないですね。

ここで重要になってくるのは、百合でもイケメンでもなくて、ガンダムというシンボルとニュータイプの扱い、そしてバックボーンにある社会的な衝突をどう作品に生かしてくるか、というあたりだと思っています。

公式小説の「ゆりかごの星」から、それらについてのいくつかの可能性が見て取れます。

ゆりかごの星と主題歌祝福に見る同作の可能性

同作品は、公式から、プロローグ〜第一話の間を補う作品として、脚本が大河内一楼氏が書いた「ゆりかごの星」という作品が公開されています。

そこには、スレッタが水星を離れて学校に通うようになった経緯が描かれています。

要点としては、どうやら今回のガンダムは意思をもっているらしいこと。スレッタはベネリットグループに復讐するために母によって学校に送り込まれたこと。スレッタはそれを知らないこと。

これらの情報から、同作がどう展開し何をやろうとしているのかが見えてきます。

一つはスレッタは母と企業との闘争に巻き込まれるということ。そして、おそらく父親を失ったスレッタに対してガンダムは父親代わりであり、親離れ&母離れをするときに重要な役割を担うであろうこと。

またガンドアームとしての意識の拡大は、ニュータイプ的なものですが、これはたぶん、ミオリネとの関係を介して世界の調停のために役立てられそうだということ。ベタに考えれば、身体能力の拡大だけでなくニュータイプ的認知能力の拡大=意思疎通にも使われそうですよね。

で、同時にそのガンダムやニュータイプの力の有り様は、同作内の仲間および視聴者層の「未来を目指すものはこうあるべき」という考え方のシンボルになるように作られるんじゃないかな、と。

さて、ここにもう一つ同作の可能性を示唆するヒントがあります。

YOASOBIの主題歌です。

YOASOBIの主題歌は、違う立場に生まれたあらゆる子どもたちをまず祝福し、親とは違う関係性の中でチャレンジをすることが尊い事であるような歌詞になっています。

誰にも追いつけないスピードで
地面蹴り上げ空を舞う
呪い呪われた未来は
君がその手で変えていくんだ
逃げずに進んだことできっと
掴めるものが沢山あるよ
もっと強くなれる
この星に生まれたこと
この世界で生き続けること
その全てを愛せる様に
目一杯の祝福を君に

分かりやすい歌詞ですよね。

つまりこの歌詞を実現するためにガンダムの能力が生かされるのだと予想できます。

表面上の、百合とかウテナ的なノリとか、イケメンとかロボットとかに惑わされずに、そういうメッセージを創り、また視聴者がちゃんと拾うことができたなら、水星の魔女は、間違いなく多くの人にとっての傑作になるのだと思うのです。

以上、0話〜1話、そしてゆりかごの星の雑感でした。

動画版

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