パリピ孔明は人気です。
すごーい、人気です。
月見英子がかわいいし、孔明がそれっぽい孔明で面白い。時折史実のネタが差し込まれていて、ちゃんと知っている人がやっている安心感がある。しかし、なぜそこまで人気なのか?なぜ面白いと感じてしまうのか?
パリピ孔明の「面白い」についての、なぜを掘り下げてみたいと思う。
パリピ孔明なぜ面白い?
なぜ面白いのか?
それは、孔明が出てくるから?パリピだから?美少女が出てくるアニメだから?音楽がいいから?そのどれも正解で、しかしどれも決定打に欠ける気もする。
うん、もうちょっと掘り下げよう。まず細かく言えるのは──
諸葛孔明というのは、昔から人気の人物だということ。加えて、月見英子のような美少女キャラというのも人気だということ。
つまりその時点で人気が倍がけになっている。
かわいいキャラクターが好き、という人の受け皿がまずある。
さらに、好きなのは三国志や諸葛亮孔明であって、美少女はついでだ、というひねくれた人の受け皿もある。そういう立て付けになっているのだ。
さらにマニアな後者は、どこまでちゃんと孔明をしているのか見てやろう、生半可な孔明なら文句行ってやるぞ、と見に来ていることも予想される。作者の孔明愛が滲み出ているのでそんなことはなかったのは幸いだ。
孔明人気?
ていうか孔明人気だよねー。昔から。
そもそもの孔明の人気ってなんだろう?
孔明は、三国志の中でも、異色の存在だ。
軍師や政治学者としての優秀さがあり、劉備を主人として、魏を中国における大国の1つにまで押し上げた。逸話に事欠かず、その言動は魅力的。立身出世のサポート役として申し分なし。三国志においては、誰もが一目おいて誰もがファンになるキャラクターです。
それが現代にやってきたと。
それだけでも面白いのに、なぜかパリピになって、ディーヴァをサポートするのだ。めちゃくちゃだが、めちゃくちゃ面白い。
うん、それで、人気の理由は十分か?
いやもっと欲張って掘り下げてみよう。パリピ孔明のヒットには時代の影響もありそうだ。同作品の時代性を見てみよう。
現代はどんな時代か?
現代とはどんな時代か?
実は、現代というのは──SNSの発達によって「生まれに関わらず、立身出世が可能な時代」でもある。
昔は、出世や身を立てる行為というのは、家柄と富が必要で、一部の幸運に恵まれた人しか叶わなかった。
しかし、今はそうではない。とくに先進国においては──目まぐるしく変わる時代変化の泣けで、売れる目立つ出世するについては、アクロバティックな計略が時に通用する、市民戦国時代だ。
そんな時代において、誰もが立身出世を目指す時代で、誰しもが成功したいと願う時代だ。
そんな中で孔明の力を借りれるなら、それはなんて素晴らしいことだろうね。
孔明を始めとする古代中国の知識には、現代にも通じる成功のヒントがあるというのは、噂には誰しも知っている。流石に漢文を読む気にはなれがいが、孔明の知識がアニメ経由でライトに理解できるなら興味あるというのも頷ける。パリピだろうがディーヴァだろうが、そこにはそそられるモノが存在している。
パリピ孔明は、現代の立身出世を、夢物語ではあるが事象は現実に絡めて描いて見せている。古来より成功論や出世論、思想哲学、君主論が、現代に絡むととっても面白かった。
更に言うと、人は正しい心持ちの人物が、正しく成功する物語がけっこう好きだ。正義と道徳に基づいて成功する人をみると清々しくなるんだ。
月見英子は孔明のサポートの下で、正義をもって清らかに正しく天下を取る。それが心地よいのだ。つまり、これは正義と道徳の物語でもあるのだ。
孔明と道徳と現代の立身出世。これがうまくハマったんだ。
夢見る少女の物語に、孔明の策、正しき心持ち=道徳という組み合わせは、現代の静かなる野心家たちの心を刺激したのだ。
それは、日本で中国で、海外で、人々刺激している。今のところ、このアニメは高度にうまく行っている。まるで孔明の罠のようにね。
それは孔明の罠
実はあまり勉強にはならないが──その代わり見ているとドチャクソ面白いことにみんな気づいた。
これは孔明の罠だ。
月見英子ちゃんかわいかった。
これも孔明の罠だ。
それらの罠を仕掛けて、成功して人気を得て見せたのが、パリピ孔明という作品なんだ。
たぶんね。
まあでも、作り手も流石に全て予想できた訳ではないだろうけどねー。
事を謀るは人に在あり。事を成すは天に在り。