怪物事変をつい見てしまう。
たぬきおじさんとショタなお話かと思いきや、5話までに、狐娘と、ドSっぽいヴァンパイアがでてきました(原作未読なのでどうなるかわかってない)。
さて、ここいらへんで怪物事変の中間雑感をいくつか。
幼子でも怪物なので安心
キャラクターの親しみやすさは、ちょっと2000年代の作品感ありますよね。
登場人物は、夏羽、織、晶、紺が出てきました。織以外は全員、まあ子供なんですけど、隠神さんはわりと問答無用で、仕事に送り出します。
児童保護法違反なんじゃないかとかおもいつつも、まあ隠神さんたぬき化して付き添ってるし、怪物だからいいのかな?
というか、やっぱりヒトに対して、晶ですらとんでもない力をもっているからセーフか。紺は公園で暮らしているけど、あれで強いしね。エキノコックスもってるかもしれないけど。
基本的には親しみやすく、好ましいキャラクターたちです。
しかし、そんな中で際立つものがあります。
つくづくおもしろいなー、と思うのは、そんなかわいいキャラクターも、怪異的な側面が顕になると、けっこう怖いキャラデザインになってること。
紺が獣化したら怖かった
たとえば紺なんですけど、フードをかぶった可愛らしいキャラクターなんですけど、狐化したら普通に怖かった。
晶は雪男娘なので変わらないでしょうけど、目つきとかは変えてきそうですね。夏羽だって鬼化したら怖いし、織も蜘蛛になったらグロいんじゃないかしら?
この可愛さを捨てる怪物描写の思い切りの良さは、とっても好感度高いのです。実写のトイレの花子さんとかにみられる、本気で子供を泣かしにかかってくる感じがある。
ああ、作者はまじめに怪物を怖いものとして描こうとしたんだな、というのが伝わってくる。
敵キャラとエピソードもわりとグロい
さらに良いのが、やっぱり敵対者の怖さ&グロさですよね。
猫又周辺の猫化した男たちもちょっと怖かったし(さらにオチは好き)、耳から脳みそを吸う蚊の怪物も、かなり怖い。
この怖いは、たとえば呪術廻戦的モンスターとは違う怖さがある。呪術廻戦の呪霊は、キャラクター化されています。怖いんですけど、殴れば倒せる感があるし、ちょっと人間っぽいところもある。対して、怪物事変のほうは、日本の古式ゆかしい「ぞわぞわ」に、ちゃんと手を伸ばしてくる怖さがある。
生理的な恐怖というか、呪怨とかリングに通じる、理解しあえない怖さです。
この2つの怖さの違いは、それぞれの作品をよく表しているなと。
そして、思うのは、こういうところに手を抜かないからこそ、夏羽たちの可愛らしさも際立つというものです。それによって、人の心をあつかった人情話も面白くなるのです。
さて。
個人的な希望としては──もっと怖いものを見たい。ぞわぞわしたいのです。そんなこんなで、引き続き怪物事変、見ることになりそうです。