蜘蛛ですはなにか? が、気づいたら試聴継続している作品になっていました。作画の質はそんなでもないです。
でも何故か試聴しつづけてしまいました。平たくいえば「面白い」と思っているからなんですけど、それは何故だろう? というあたりの雑記。
蜘蛛ですが、なにか? の簡単な説明ですが、なにか?
蜘蛛ですが、なにか?は、馬場翁(ばばおきな)先生のライトノベル発のアニメーションですね。もともとは、小説家になろう、にて連載されていたものを、角川が書籍化したものです。
アニメ化に際しては、前評判がよかったのは知っていましたが、個人的にはあまり異世界転生モノを見ないので、蜘蛛主人公というところで、1話だけ見てながすか〜、とチェックしていたら、二話三話をみて、さらにずっと見続けてしまった。
この手の異世界ものというのは、定番の設定としては、だいたい前世回の記憶を引きずった主人公が、その知識でもって、世界の秘密を斜め上に理解しつつ、問題解決する、という流れになっていると思います。
この、蜘蛛子さんのお話も、ゲームにそこそこ詳しい女主人公が、転生先においてスキルや魔法や戦闘手法について、斜め上の理解をしつつ、ひとつひとつハードルをクリアしてゆく、というものになっていました。
やっていることは旧来の異世界モノと変わらないんですよね。
では何が違うのか?
非常に構造的によく考えられて作られたお話ですが、なにか?
見ていて関心するのは、その設定と物語構造の複雑さや丁寧さですよね。
これを書いている作者は、主人公(と、その周辺キャラクター)がどこへむかうのか? というのを、ほんとうに丁寧に準備している。
旧来の異世界転生モノというのは、もちろん大枠の流れはあるんですが、けっこう構造的には行きあたりばったりなんですよね。とくに新人作品とかですと、物語の設定の連続性や伏線の繋がりというのは、そこまで考え尽くされていない。
ところが、この蜘蛛子さんのお話は、スキルを軸として、そして背後にある転生の理由、世界の仕組みといったものが、早い段階から丁寧に提示されています。また、かなり複雑な構造の物語になっている。
新人の第一作目の連載ものでこういう複雑なことやっているのは、他は進撃の巨人しか思いつかないんですが、単純にそれは凄いことだと思います。
スキルの獲得とそれの利用による進化&問題解決が良いんですが、なにか?
やっぱり、この作品の一番面白いところというのは、主人公の進化ですよね。
それには、つねに、スキルというものがついてくるんですが、これが主人公が遭遇する事件の問題解決にうまいこと連動していて、事件の対処方法にいちいち納得感と爽快感があって心地よい。
このスキル周りと物語の連動を、キチッとやってのけていることが、安心感と物語の楽しさにつながっていることは間違いないですよね。
さらにくわえて言うと、蜘蛛子目線の世界の楽しさです。
ゲーム中継みたいなんですが、なにか?
このアニメを見ている、どうもわたしは蜘蛛子さんといっしょの目線で問題解決を楽しんでいる気分になるんですよ。
これ、何かに似ているなあ、と思って考えたんですが、ようするに「実況ゲームをYou Tubeでみている感覚」に近いんですよね。
いままでの異世界転生モノというのは、ハーレムがあったりギャグがあったりと「蛇足感」があったたので、まあまあキャラや展開があわなければ、(私にとっては)そういうものを見続けるのは、ただシンドいだけなんです。
ですが、蜘蛛子さんは、実況ゲームのダラ見なんですよね。それも蜘蛛子さんが、自分で実況しているっていう。そして、ダラ見というのは、その世界に入り込むのではなく、プレイヤーキャラクターの問題解決を、ただただ追いかける一歩引いた目線のものです。蜘蛛子さん自身の、異世界との関わり方もどっぷり入るでもなく、一歩引いた感じになっています。だからこそ、変に抵抗感もないし、ゲーム実況でも楽しむかのように、見つづけられるんだな、と思いました。
これが、小説だとどういう見え方なのかわかりませんが、少なくともアニメ版はそのように見えたし、楽しめたし、抵抗感がなかった。
逆に、蜘蛛子さんパート以外は、しんどいんですが、なにか?
逆に、蜘蛛子さんパート以外は、普通の異世界転生モノになるので、ちょっとしんどい。ここいらへんは私の好みの話ですけどね。
つまりは、実況ゲーム的なノリがつづくかぎり、蜘蛛子さんについては、私は謎に視聴継続をするでしょう。この作品は、そういう抵抗感のない、面白いアニメだということです。
気になるのは、これ何クールまでやるんでしょうね?
まったくそのあたり未チェックなんですが、どうか中途半端なところで終わること無く、突き進んでいほしいなって思うのです。
以上、簡単な実況ゲーム中継アニメ「蜘蛛ですが、なにか?」の雑感でした。