推しの子〜抜群におもしろいので高評価のポイント解説

推しの子
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2021年8月に「次にくるマンガ大賞 2021」でコミックス部門1位を受賞した、推しの子について推したいと思います。

まず推しの子とはどんな作品なのか?

推しの子の雑解説

大雑把な説明をしてしまうと、主人公らが前世の記憶を持ったまま、推しているアイドルの子に生まれ変わるという「現代転生モノ」です。

けっこう無茶苦茶なファンタジー設定なんですが、実際には作中のお話は、現代を反映したリアリティのあるものであったり、サスペンス&ミステリもあって、なかなか奥深い作品になっています。

初期においては、あまりにも斬新な設定だったので、注目をされました。

大まかなストーリー

展開としては、初期はまず主人公らが、推しのアイドル星野アイの子として転生するところから始まります。

転生したのは、元産婦人科医のゴロー⇒星野愛久愛海(通称:星野愛久愛海(通称:アクア)とアクアの双子の妹、星野瑠美衣(通称:ルビー)です。

二人は、はじめ星野アイの子としての日々を堪能しますが、あるとき母親である星野アイは殺されてしまいます。

二人はその後、紆余曲折あって、それぞれ芸能界を目指すことになり、エンタメ世界&芸能界の波にもまれながらも、自身の母親を殺した犯人を探す、という流れが大筋となっています。

原作者について

この作品の大きな特徴は、作画と原案が違うことです。原案原作は、かぐや様は告らせたいでおなじみの赤坂アカ先生で、作画は横槍メンゴ先生となっています。

後述しますが、個人的には、このタッグが絶妙なクセを生んでいると思っています。

主要な人物

星野愛久愛海(ほしの あくあまりん)

転生前は医者。

主人公のアクアくん。名前がキラキラネームすぎて笑いますが、本人は元医師なだけあっていろいろと機転の効く、暗躍系イケメン主人公です。

性格はドライながらも気遣いもでき、その本質に気づいた作中の女子たちは、彼に好意をいだきます。

しかし、彼の推しはもちろん、星野アイであり次に、アイの生き写しになってきた妹の星野瑠美衣を気にかけているため(重度のシスコンになっている)、しばらくは誰かの思い向き合うことはなさそうです。

母親アイを殺した犯人の情報を追っていますが、星野アイの子であることから芸能者としての資質があり、後に役者をするようになります。

星野瑠美衣(ほしの るびい)

転生前は主人公ゴローの勤務する病院の患者。死因は病死です。

アクアと同じく、実質的には主人公ポジションにあるルビー。同じく、星野アイの子として転生したキャラクターです。自身が転生者であることをアクアと共有しており、アクアと心情を共にするキャラクターです。ですが、最近は、あんまり出番がないですね。

お話が進むにつれて、星野アイの後を継ぐようにして、アイドルをめざすようになります。

前世が病弱だった反動で、転生後は快活で運動神経に優れるキャラとなっています。ですが一方で母親と違って、歌は下手。

星野アイ(ほしの アイ)

劇中における双子アクアとルビーの母親にして、伝説のアイドル。ある種のカリスマ性をもっている。物語前半に、アクアらの前で刺殺されています。

有馬かな(ありま かな)

とある芸能系の事件でアクアと幼少時から交流があった役者の少女。天才子役として活躍していた少女で、準レギュラー。

アクアらの高校進学後は、ルビーらとアイドルグループを結成することになる。アクアの優しさに気づいている数少ないキャラクター。

黒川あかね(くろかわ あかね)

高校二年生の女優。一流の役者しかいない劇団のエースで、有馬からも天才と嫉妬される演技力を持っています。

劇中では「今からガチ恋始めます」というリアリティーショウで、アクアのパートナーを務め、それが縁となってアクアに好意を抱いています。

MEMちょ

ユーチューバーの高校3年生。小柄で可愛らしい容姿で、常に角カチューシャをしています。自称バズりのプロ。公称18歳だが実は25歳。詐欺じゃん。

後にアクアに勧誘されて、ルビーや有馬らとアイドルグループB小町を結成する。

──以上はアクアにからむ主要女子ですが、それ以外にもキャラクターは多数おり、視点はアクアやルビー以外に飛ぶこともしばしばあります。現時点では芸能群像劇の体を呈しています。

本筋として、母親を殺した犯人探しがあり、そこにアイドルを目指すルビーと役者をめざすアクアのエピソードが交錯するような展開になっています。

作品についての推しどころ&評価しているところ

この作品の面白いところというのは、初期においてはもちろんそのぶっ飛んだ設定でした。

正直なところ、私はこの作品は「出落ち」作品で長続きしないと思っていました。でもよく考えたら、原作者が赤坂アカ先生なんですよね。

絵が、横槍先生なので、一瞬わかりませんが、よく見ていくと、かぐや様は告らせたいと同じような、絶妙な「シリアスとコメディ」がミックスされた作品になっているんですよ。

横槍先生には申し訳ありませんが、もしこれが赤坂アカ先生の作画で描かれていたら? あのぶっ飛んだ「転生」設定も、違和感ないものだったかもしれません。

さらに特徴としては、芸能界やアイドル界隈の示唆に飛んだ洞察が、作中にうまく取り込まれているところです。これが本当に今の「芸能あるある」にリンクしていて面白い。先生はよくリサーチしているな、と思います。

で、これもちょっと考えると解るんですけど「恋愛あるある」をこれでもかと取り込んで、コメディ&シリアスをしてみせた、かぐや様と同じ構造なんですよね。

そりゃ面白いわけですよ。ようするに転生アイドル版のかぐや様であり「アイドルあるある物語」だってことです。

作品について気になる所〜顔が同じ?

一方で、1点だけ気になる所もあったりします。

それは、横槍メンゴ先生の、キャラバリエーションの無さですね。ええと、横槍先生って、基本的にキャラクターの顔を極端にかき分けることをしないので、パット見でほとんどのキャラが同じ顔なんですよね。

少女漫画とかでよくありますが、アイドル群像劇でかき分けがないのはなかなかしんどいですね。苦肉の策として、目に星を入れたり、有馬には帽子をかぶせたり、MENちょには角つけさせたりしてますけど・・・果たして今後はかき分けが進むのでしょうか?

カラーなら髪の色変えたりしてわけられるので、アニメ化することが会った場合は問題ないと思いますけどね。

生み出される絶妙なシナジー

とはいえ、かぐや様とは違う、ちょっと少女漫画的な世界で繰り広げられる、芸能あるある群像劇というのは、クセがあって病みつきになるところがあります。

もちろん赤坂アカ先生の作画でキャラが躍動したらそれはそれで面白いのでしょうが、横槍メンゴ先生の作画だからこその違和感というのが最近はあると思っています。面白さは十分すぎるくらいに伝わってくるのです。

だからこその「次にくるマンガ」なのでしょうね。

さてアクアとルビーの受難は続きますが、面白いことについては折り紙付きの同作、引き続きの展開を楽しみたいと思います。

未読の方は、ぜひ読んでみてください。

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