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無職転生~異世界行ったら本気だす~は、なぜ面白いアニメ作品に仕上っているのか?

無職転生 ~異世界行ったら本気だす~
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私は異世界転生モノというのは、基本的にあまり見ないんです。理由としては、出落ちに近い設定ばかり先行して、ご都合主義の隠し方が下手&物語の構造作り方が一本道で下手だからなのです。

なので、ネタだとわかっている「このすば」か、ひたすら主人公が血を吐いてのたうち回る「Re:ゼロ」くらいしか受け付けなかったんです。ですが、無職転生については、どうも評判が良いのでせっかうなのでアニメ版の第一期を見してみました。

で、完走できたので、その雑感です。

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なろう小説のアニメ化に本気だす

正直な所、なろう系特有の××展開はやや食傷しますが、それ以外はもう本当に本気で作ろうとしているのがヒシヒシと伝わってきました。

©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

そして思うのです。

ああつまりこれは、設定や展開がしっかりしている異世界作品を、本気でアニメ化しようしている作品なのだ、と。なろう原作者や愛好者の誰もが夢見ることを実現しようとしている作品なんだな、と。

なろう系とかライトノベル作品というのは、ターゲット層を広くもつために、描写はどうしても、その名のとおり「ライト」になりがちです。どんな魅力的な異世界を描いていたとしても、その世界の隅々まで描写をしているわけではない。

異世界モノというのは、映像化する際に作り手の想像力と予算と、あとやる気が本当に試されるものだと思うんですけど──なろう系やラノベってだけで、やっぱりどうも手を抜かれがちなんですよね。

ですが本来は、小説原作であれば、その裏側にあるモチーフの必然性まで想像して作品を作るのが正しいものですよね。

実写映画のロード・オブ・ザ・リングは、劇中内の描写やりきっていますよね。かつてのロードス島戦記というのも、良質な絵作りをしていました。もちろんこの2つは原作において背景がしっかりと描かれているからというのもありますが、べつにラノベだって、絵にするにあたって、その世界観をしっかりと補完して作ることが出来ないわけじゃないですよね。

いままでのなろう発の作品というのは、どうしてもライトノベルなりの手抜きがなされてきた。ところが無職転生では、いままで避けてきた何かを突破しようとしているように見えました。

細かな描写を考え尽くして手を抜かない

例を上げるときりが無いんですけど、無職転生では、作品の山場となるシーンで随所に、ダイナミックなシーンを入れてきていまよね。

例えば、主人公ルーデウスの卒業試験における魔法の発動シーンは、目をみはるものがありました。その他にも、エリスをルーデウスが守る際の戦闘シーンや、魔大陸における街に訪れた際の街の風景、空飛ぶ要塞、ほかほか、かなり本気で描いています。

©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

しかし、注目したいのは、ダイナミックな場面だけではありません。別にそういう場面自体は過去作でもありましたしね。

私が個人的に、丁寧につくってるなー、と思うのは、情報をセリフじゃなくて絵で伝えようと頑張っているあたりです。

例えば、1期後半においてルーデウスたちが、新人冒険グループを助けた後でエリスは相手グループにがんばれと声をかけます。するとその相手は振り向かずに、手を振って去って行くシーンがありました。

このシーンはいくつかやり方があると思うんですけ。例えば、エリスの声掛けに対して、正面を向いてやるせなさそうにニコリと笑ったって良い。しかしこの作品の監督は、ルーデウスたちグループへの返事を「遠景でさってゆく二人が、エリスの声がけに振り向くこと無く手をふる」という演出で処理しています。

こういう表現というのは、実写や劇場版ならわりとあるんですが、TVシリーズアニメだと面倒なのでわざわざやらないですよね。背景画と奥へと歩く人物をわざわざ描かなければいけないので。普通はバストアップかクローズアップの表情で、背景使いまわしして作画カロリー減らしたりするんです。でも無職転生ではそこに手を抜かなかった。そして、これをやることで、作品の世界観がぐっとリアリティのあるものに変わる。

そういう細かなところに手を抜いていないのが、このアニメの凄いところです。

異世界モノで本当にやらなければいけないこと

つまりは無職転生というのは、先に述べたとおり「手を抜かない」異世界を作ろうとしているのです。多方面で本当に手を抜かない。

©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

ラノベにある、おバカでDTな××描写こそありますが、それ以外については本当にキチッとやりきっている。で、そこで一つ思うのです。

そういえば、異世界転生モノって、作るにあたって何が一番大切だっけ?

私達視聴者が異世界ものに求めるものって、実はただ一つの大きなものに集約するんです。それは、何か? それは、見たこともない異世界への憧れです。

私達がなろうやライトノベルで異世界ものを読んで楽しむその根底にあるのは、俺ツエーやハーレムじゃなくて、全く見たこともない素晴らしい世界を見たいという欲求が根底にあると思うんです。それは架空世界の物語の醍醐味ですよね。

たとえばジブリのナウシカやラピュタは、天才監督の妄想とスキルによって、見事にそれを表現していました。だからこそハッとする訳です。そして世にあふれるなろう系&異世界系ラノベというのも、根底にあるのは素晴らしい異世界への憧れなんですよね。

で、無職転生というのは、お話はともかく(お話もちゃんとしてますよ?)、兎にも角にも、その素晴らしい異世界というものの実在性をしっかりと表現することに注力しているんです。

ものの質感、動き、光、匂い、喧騒、人々の営み。小説には書かれていない裏側にある、そういうものをきっちり描こうとしている。だからこそ、同アニメは、見ていてハッとするし感動をするんです。

これは、ひょっとするとある種の異世界モノのクリエイティブとしては、一つのターニングポイントになるかもなあ、などと思いました。

2期が楽しみですね。

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