無職転生〜なぜ他の異世界転生ものと違った成功をしたのか? 勝因はどこに?

無職転生 ~異世界行ったら本気だす~
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無職転生〜相変わらずおもしろいですね。

数多の雑多な異世界転生のなかでは、異色な〜といってもよいほど丁寧に創られていて、好感度高い作品です。

なぜココまで評価されることになったのか? 前に書いた無職転生の記事でそのあたりについて、解説しているのですが、どうもちょっとそれだと足りない気がしていて、今回はそれについての短い補足です。

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数多の異世界転生モノのなかで頭一つ出ている印象

異世界転生モノって数多く創られていますよね。

その中にはもちろんヒット作もありました。

ですが、一方で旧来のファンタジー好きのファンにとっては、やはりやや「茶番」であり「ライトな作り」であると感じられるものが多いのが現実だと思います。

もちろん、それらの作品は、そういった状況「分かっていて」「逆手に取った」作品を創ることで、いろいろと楽しさを創出して来たわけですが、やはり物足りなさもあった。そこに現れた無職転生は、何かいままでと違っていて、非常に目立っていましたね。

でも、よく見ると「ハーレム」だし「俺つえー」だし「ボヤキ系」だし、過去のものとあんまり変わらなかったりするんですよね。

それなのに、なぜ面白いのか? なぜ注目されるのか?

無職転生の特殊性はどこにあるのでしょうか?

無職転生の特徴

無職転生の特徴とは?

質が高い?

キャラが魅力的?

どれもそのとおりですね。ですが、過去の異世界転生モノにも当てはまる要素です。そもそも、他の作品を同じクオリティにまで引き上げたら同じような評価がえられるのか?

多分無理でしょう。

私は無職転生が持ち合わせている、たった2点の要点が、この作品を他の異世界転生モノとは異なった特別なものにしていると想っています。

以下にあげます。

  1. 中身のおっさんの中二のゲス主観だけでなく、優等生としてのルーデウスを作り出し、性質としてハッキリ分けて同居させたこと。
  2. 異世界転生ハーレム俺ツエー物では珍しい「世代間の人間ドラマ」を描いてみせたこと。

1つ目から説明します。

おっさんと優等生の二面性。

異世界転生モノというのは、たいだい前世ではニートかおっさんで、現代社会のスキルをもっていて、それを転用することで異世界でチートする、という流れが一般的です。

それ自体は爽快感があるものですが、やっぱりちょっと食傷気味になりますよね。とくに、ファンタジックな世界観のなかにあって、ニートやオッサンのゲスメンタルから繰り出される地の文やモノローグというのは、たとえそれが俺ツエーであっても、時に嫌悪感を抱くものです。このすばではそれを逆手にとってうまいことやっていましたが、基本的にはそれがなんであれ「主観的なモノローグ」というのは客を狭めるんですよね。嫌悪感を抱く人というのはでてくるので。

ところが、この無職転生の主人公というのは、二面性があるのです。劇中世界の転生者ルーデウスは、めっちゃ優等生なんですよね。彼が(心情はともかく)表向きがとても優等生であることで、ゲスなおっさんメンタルと、良い子で応援できるルーデウスきゅんを分けて考えることができるんです。

©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会
©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

ここは、奇跡的にそうなっていると思うんですけど、けっこう他の作品にはないクリティカルな魅力につながっているとおもいます。

もしルーデウスのふるまいが、転生前のゲスおっさんのメンタルや言動マシマシだったら、数多凡百の異世界転生モノと変わらない印象だったかもしれないなー、などと思うのですよね。

一方で、ルーデウス的優等生だけじゃないのも強みです。人は優等生だけでなく、時にゲスいところにも陥りたいのです。

続いて2つ目です。

世代間の人間ドラマを描いてみせたこと。

これも、昨今の異世界転生ものではめずらしいですよね。基本的に異世界転生者とその作者というのは、まあまあ現実世界がいやでその世界に没入しているので、ウィットで本格的に、親との関係や他者との関係を描くことをしないのですよね。それよりも、同世代の男女のやり取りを中心にして、現実から逃げたヒロイックで爽快感のあるドラマを描くことを第一とします。たとえ、転生先に親がいたとしても、そこはあんまり描かないんですよね。

ところが無職転生の主人公は、ある若い男女の子として生まれただけでなく、その若い親との関係や葛藤をきっちりと描くことをしている。

©理不尽な孫の手/MFブックス/「無職転生」製作委員会

これは本当に珍しい。

異世界転生に限らず、ファンタジーモノ自体には、そういうものも無くはないですが、まあまあライトなノベルを守備範囲とする雑な転生モノジャンルで、そういう描き方をする作品はちょっと最近みかけませんでした。

あたりまえですよね、ニートのおっさんと生みの親との間には、本来まっとうなコミュニケーションは生まれませんしね。でも、無職転生ではルーデウスという優等生キャラでそれをやってみせています。

というか、親子間だけでなく、それは友人や目上の同性、男女間にも発揮されていますね。

昨今の雑転生ものではみすごされがちな、そういったドラマをちゃんと描いてみせたことが、他の作品との差別化につながっていると感じます。

実はターゲット範囲が広い良作

以上のようなことを踏まえると、実は無職転生というのは、異世界転生モノとしてはめずらしく偏りのない、多くの人が楽しめる作品にしあがっているんですよね。

そういう部分がヒットにつながっている要因なのかな、などと思っています。

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