アニメ「まえせつ!」の第一話を見ました。
これ、吉本が絡んでいるらしいですね。パッと見の感想としては──萌え絵とお笑いのかち合い具合ですよね。ファンシーな萌えキャラクターがお笑いをやってのけるという、新機軸に興味が行きます。
そして、単純に思ったのは、
「ハードル高いところにチャレンジしているなぁ」
でした。
お笑いをアニメでコンテンツでやるのって、とんでもなくハードルが高いと思うんですよね。ライブ系のお笑い芸は一期一会ですから、その時の空気によって面白さも二転三転します。それをコンテンツとしてしかもアニメーションの中に固定してしまうというのは、本当に難しいと思える。スベったらスベったまま記録として残ってしまう。それ製作者として、めちゃくちゃ怖くない?
作品自体がギャグなら良いんですよ。キャラの関係性を視聴者は楽しめるので。或いは「べしゃり暮らし」みたいなものなら劇中漫才がピンとこなくてもドラマとして客観的に逃げることが出来る。
しかし「まえせつ!」は、アニメ的なギャグのやりとりもしつつ、劇中で演芸としてのお笑いの面白いも追求しなければいけないという二重のハードルがあるように思える(今の所)。
これはかなりしんどい挑戦しているなな、と思いました。
ちなみに1話はキャラクターや世界観の紹介と「滑り芸」に注力したことで、無難な感じに終わっていますが──今後シナリオで、実際の笑いとそのテクニックをどう物語に入れてくるのか、作品としてスベるのか? それとも、お笑いアニメの新機軸をメタ的に実現するのか、ちょっと静かに注目しています。
脚本はジョー伊藤さんに待田堂子という「らきすた」や「ハルヒ」に関わった人をメインに、若手の梧桐翔大さんという方、そしてネタ監修に天津向という方が入っています。かなり本気で、お笑いのネタ作りを行うようです。
そして、一話ではお笑いネタはあまりありませんでしたが──分かったのは声優人のスキルの高さですよね。主人公が劇中でクレヨンしんちゃんのモノマネをするんですが、声優ってやっぱり芸達者だなと思うわけですよ。
また、お笑いアニメとして、いくつかの試みもあるようでした。
面白いなー、と思ったのは、劇中であるキャラクターが状況に対して笑うんですが、それが視聴者に対する誘い笑いになっていたこと。狙っていたのかどうかわかりませんが、こういうの意図して入れてくるなら、ちょっと凄い気がするんですよね。一方で難しいなと思うのは、笑いにつながる小ネタが劇中設定として数多くあるんですが、そっちは面白くないケースが発生しそうだということ。小ネタよりも、作品自体を暴走&破綻させることで笑いを取りに行って欲しいと思うんですが、そういうのどこまでやれるのかな?
そのあたりも含めて、お笑いをどこまで突き詰めて感動させてくれるのか、ちょっと楽しみにしています。