アニメ呪術廻戦おもしろいですね(挨拶)。
さて、今回は、呪術廻戦最強のチートキャラ五条悟先生を論じてみたいと思います。
御存知の通り五条悟は、呪術高専東京校で虎杖悠仁たちを教える先生ですね。そして劇中最強のキャラクターであり、作中屈指のチートキャラです。その影響力は非常に大きくて、敵対する勢力からも「彼を倒せば人類は思うまま」と言わしめるほどの存在です。
更に外見もカッコイイ。いちおう、目元を隠すマスクなんかしちゃってますけど、それをとるとその下にはイケメンが隠れています。
キャラのポイントは雑に3つ。
- 最強最強とにかく最強。
- 情に厚く憎めないキャラ。
- イケメンである。とにかくカッコイイ。
てか、雑すぎない? 他に書くことないの? というくらい、完璧なキャラクターです。彼の詳しい設定上のお話は、他のサイトのwikiでもみていただいて、僕は記事タイトルのとおり、実は彼は主役じゃね? という妄想のお話をします。
かっこよすぎて脇役に見えない
通常、劇中の強キャラというのは、まあ敵にも味方にもちらほらいるんと思いますが、存在するためには幾つかの条件とセットであることがほとんどです。
彼らは物語の都合上、けっこう活動の制限をされるのです。
例えばヒロアカ最強のオールマイトだって活動制限があります。カカシ先生だって強いけど、パーフェクトではない。ヒソカだってなんだかよくわからない気まぐれキャラに作られています。それは何のためかと言うと、本編で主役を邪魔しないためですね。しかし五条悟先生は、教師であることと忙しいことくらいしか制限がありません。というか何の制限もなくココまで最強なキャラクターってちょっとめずらしいですよね。ホント、アナタ主役でいいじゃんって思う。まあ、実際本編の過去編で主役やるんだけどさ。
チートキャラというのは昨今ずーっと流行っている「俺ツエー」を体現する存在です。やりすぎると世界観を壊しかねないにもかかわらず、本当に人気がある。そして、どう見ても五条悟先生のキャラデザイン、造形や作りこみ、背景設定って主役キャラなんですよね。
記事タイトルのとおり、実は原作者は五条悟を主人公にしたかったんじゃないかなー? けれど編集からダメ出しをくらって、教師に収めたんじゃない? というのが最近の僕の勝手な妄想です。
それくらい、他の並み居るキャラクターの中でも抜群に背景が作られキャラも魅力的に描かれている。絶対思い入れないと書けないよねこういうキャラクター。
絶対主役でしょ五条先生。
でも──五条悟は本編の主役にはなりませんでした。なぜなのか?(過去編で主役やるけどさ)。
チートキャラと枷
さっきもいいましたが、チートキャラは世界観を崩しかねないんですよね。
あまりにも強すぎると、劇中の課題が課題でなくなってしまうので、物語が転がらなくなってしまう。虎杖悠仁はチートであっても、まだ未熟で問題を抱えた素材です。それは物語用語で「枷を持つ」と言うんですが、物語を進めるための重要な要素です。
カッコイイキャラクターというのは書いていて楽しいんですが、それと物語は別物ってことです。ドラマというのは、主人公が悩み、苦しみ、のたうち回るからこそ面白いのです。スバルくんのように。悟空だってまあ、いちおう苦しむのです。モモンガ様もまあ最強ですが枷があります。
対して、完全無欠で最強である五条悟は、やはり物語の主役にすると、なんでも完璧にこなしすぎてしまい、物語が終わってしまうんですよね。かといって、逆に五条悟に出来ないことを増やしたり、悩み苦しむ姿を描いたら、それはかっこいい五条悟ではなくなってしまい、魅力が無くなってしまう。ああ、なんというジレンマだろう。
ということで残念ながら、五条悟は、キャラクターとしては魅力的でも呪術廻戦という物語においては、お話を進めるための主役にはなれなかった。
これは物語造形としてはごく当たり前の選択だと思います。
それからもう一つ感じるのは、五条先生の主役はずしは、作品トレンドに対して「外し」を狙ったものでもあるんだろーな、と思っています。まったく恥ずかしげもなく劇中でイケメン最強を振る舞うチートキャラの象徴といえば(ヒドイ言い方)僕はまっさきにSAOのキリトくんが思い浮かぶんですが、そういう「バカバカしいまでに理想化されたイケメン最強主人公キャラ」というものに対して、呪術廻戦はちゃんとドラマとしての定石を踏まえて、万人に広く受けいられられる虎杖というキャラクターを主役に据えたのだと思っている。
つまりはキリトくんに匹敵し、またそれを上回るほどの、かっこよすぎる五条悟先生は、最近のトレンドでいったら、あまりにも「ベタベタ」すぎた&本編の進行を邪魔するので、仕方がなく主役からはずされて、傍らにおかれたと。
五条悟が好き好きな芥見下々先生
ただいびつだなー、と思うのは、呪術廻戦の芥見下々先生って、五条悟が主役をやることが絶対に諦めきれてないですよね(笑)。
原作者の世代って92年生まれの20代なので(若手)、やっぱりSAOとかの黒ずくめ最強キャラ好き好き世代だとおもうんですよね(なんでしょうねこの中二といえば黒ずくめイケメンという嗜好)。さらにいうとナルトとかブリーチとか見て育った世代です。五条悟先生は、どうみてもカカシ先生の影響を受けているよね(あ、今書いてて思ったんですけど、そいや伏黒恵って、うちはサスケですね)。
そして、本来描きたいのは、やっぱりナルト的脳筋アホアホ熱血主人公の虎杖悠仁ではなく、カカシ的スマートな万能キャラクターを踏襲したイケメンキャラで、先生はそれを諦めきれなくて五条先生を裏主人公にして劇中で俺ツエーさせている、という構図に見えるんですよね。ナルトのカカシ先生のエピソード、ほんとカッコイイのばっかりだしさ。
で、さらに僕は妄想するのです。
五条悟は裏主人公?
作品が、ヒットしたじゃないですか? その中で元々、設定として温めていた過去の五条悟先生の逸話を、過去編としてやることの許可をもらって、膨らまして描いてみせたってのが、過去編執筆の経緯としてありそう。
普通ね、過去編ってのはドラマでいったら、よっぽど後のスピンオフでしか書かないんですよ。或いは数話できっちり終わる。ワンピみたいに。本編の解説になっていれば、そこまで書き込んで話に起す必要はないんですよ。というか書きすぎると本編のじゃまになる。
しかし呪術廻戦の過去編、マジで長かった。8巻から9巻にかけて読んでて、なんでここでこんなに五条先生の話やるの? どんだけ五条悟好きなんだよ芥見下々先生、って思って読んでました。
ここまで色々状況を見ると、やっぱり先生は五条悟を主役にしたかったんじゃないかって、思えません?
僕は絶対そうじゃないかと確信しています(笑)。なげーよ8巻〜9巻の過去編。
まあまあそんなこんなで、締めの言葉としてはは何が言いたいのかと言うと──この原作者芥見下々先生に愛された「五条悟」というキャラクターは、おそらく呪術廻戦の裏主人公で、表で活躍する虎杖・伏黒・釘野よりも優遇されて描かれるから、アニメでも原作でも大活躍することが予想されます。
なもんで、引き続き注目しときましょう、ってことですね。
可愛いが正義なら、カッコイイだって正義なんだからね。