呪術廻戦〜伏黒恵って、実は変わり種のキャラクターだと気づく。あと式神かわいい

呪術廻戦
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呪術廻戦面白いですね(挨拶)。

あの作品の面白さはいろいろなところにありますが、その中の一つにキャラクターが魅力的であるというのが挙げられると思います。

虎杖悠仁、五条悟、釘崎野薔薇等々は言わずもがなですが、今回はレギュラーメンバーの伏黒恵について、幾つか気づいたことを語ってみたいと思います。

伏黒恵というクールテンプレ

伏黒恵は、同作品の一番最初から出演している主要キャラクターですね。彼は、両面宿儺の指の回収の為に、五条先生の指示で行動をしていました。そして、第一話で虎杖悠仁と邂逅することになる、クールイケメンキャラです。

どんなキャラかというと、まず嫌いな食べ物はパプリカだそうです(どうでもいい情報)。呪術師としては、「十種影法術」という術式をつかって式神を使役する戦闘スタイルです。近接は苦手ですが、後にある程度戦えるようになります。その術式の「影」についての性質と術者としての特性から両面宿儺から「可能性を持つ」との言葉をもらっていますが、今の所まだブレイクスルーには至っておらず、虎杖悠仁らと同じく先輩らに叱咤されて戦う日々を送っています。その他細かい設定はwikiでもみてください。

さて、この伏黒恵という真面目系クールキャラですが、使役する式神は10匹います。今の所出てきているのは9匹。

玉犬「白」(ぎょくけん しろ)
玉犬「黒」(ぎょくけん くろ)
玉犬「渾」(ぎょくけん こん)
鵺(ぬえ)
大蛇(オロチ)
蝦蟇(がま)
不知井底(せいていしらず)
満象(ばんしょう)
脱兎(だっと)

この式神がめっちゃかわゆすでしてね。とくに犬。というか犬。うん、僕犬派なので。

ちなみに、10匹目には摩虎羅(まこら)というムキマッチョな神さまを召喚できるらしいですが、自爆技らしく本編未登場。最強らしいです。

そして、領域展開は、嵌合暗翳底(かんごうあんえいてい)という名称で、影の海を広げる結界。無尽蔵に式神を召喚し、敵を翻弄するがまだコントロールしきれていないようです。

伏黒恵は外見のクール&カッコよさと、これらの技の中二感全開のスタイリッシュさもあって、大人気です。なにげに熱い&友達思いなキャラなのもポイント高いですね。さらに、虎杖悠仁とのキャッキャウフフな関係は女子たちからも注目されています 😃 。

そして、伏黒って、実は過去に似たテンプレが本当に数多くいますよね。最も簡単なところでいうと、呪術廻戦が影響を受けたナルトのサスケとかね。あとは、スラムダンクの流川楓なんかも同じポジションです。ようするに、熱血系の主人公に対してクールでテクニカルなキャラクターを持つライバルという存在です。他にも、主人公と似たような関係を築くキャラクターは数多く入ると思います。つまり、鉄板で人気を得られる使い勝手の良い、レギュラーキャラクターということなんでしょうね。

ちょっと過去のキャラと違う?

さて、そんな伏黒恵ですが、実は過去に存在するクール系レギュラーキャラクターとはちょっと違っている所があります。なんだかわかりますか?

それは、主人公と仲が良い、ということです。

ナルトのサスケは、初期多少なりともナルトと反目しあっていましたが、後編では完全に袂を分かつような立ち位置に収まっています。なんなら敵対すらすることもあった。そして、スラムダンクの流川楓は、最後の最後まで桜木花道と直接的なコミュニケーションをいっさい取らないライバル関係にありましたよね。

つまり、過去作品において陽のポジションを担当する熱血気味の主人公に対して、伏黒恵のようなキャラというのは、本来物語上では心を通わせる事のない、ライバル関係にあったんです。

ところが、呪術廻戦ではそういう緊張関係が存在していない。出会った直後から、数回のやりとりを経て、伏黒恵と虎杖悠仁の間には信頼関係が築かれているんですよね。これは面白いな〜、と思いました。

旧来の作品では、互いが互いを切磋琢磨する関係に置かれているはずなんです。しかし、この作品では切磋琢磨の役割は各々が別の場所で別の相手とともに行い、本人たちはあんまり衝突することもせず仲良くしている。もちろん、瑠川やサスケは後に、遠回しにには無二の関係を主人公と築くのですけど、始めの関係もそこへ至るプロセスもごっそりオミットされていた。

なぜ、主要なキャラクターどおしが、本来あるべきライバル関係のテンプレートを捨てて仲良くなっているのか?

そこには、やっぱり時代の変化があると思うんですよね。

新時代のポジションを取る伏黒恵

まず大前提として、そもそも、瑠川的なものと桜木花道的なものというのは、物語の後半には絶対に仲良くなっているというのが分かっていますよね。もう散々やられてきた。熱血とクールの反目と友情。それに対して、新時代の作家は、いずれ仲良くなるのがわかりきっているのに、はじめっからわざわざライバル関係にしておくのは、いい加減に寒くない? ということだと思うんですよね。マジで。だって、バレバレじゃないですか。

あー、こいつらゆくゆくは大親友になるんだろうなー、もういいよそういうの散々見てきたから、ってことです。ならはじめっから友情関係を作っておいて、それとは別のところに個別のドラマ創作のリソースを作ろう、と考えるのはとても自然なことですよね。

作者がそれを自覚的にやったかというと、どちらかと言うと無意識レベルだと思うんですが、一方で時代がそうさせたというのは、あると思っています。

ある時期にジャンプ等のマンガを見てレギュラーキャラのライバル関係を見てきた人たちにとっては、スラダンの瑠川と桜木、或いはナルトとサスケは、はじめっから最後まで大親友なんです。ただ素直じゃないというだけで。だって作品全体を眺めれば間違いなくそうでしょう? そして、新時代の作家というのは、あまりにも自然にそう理解しているから、わざわざライバル関係にする、という発想すらどこかへ吹き飛んでしまったんだと思っています。そして、今の時代になって、熱血とクールのレギュラーキャラは始めっから親友になってしまった、ということですね。

他方、それって作品としてどうなの? という疑問が出てくるかも知れません。

ライバルじゃないことのメリット&デメリット

ライバルがいないということは、彼らが成長する機会が、ライバルではなく、外に置かれるということでもあります。そして身内は和気あいあいということで、ちょっとドラマがチープ化するかもしれませんね。

また、同時期に存在しながらも別の場面で物語が展開することにも繋がり、互いの関係が希薄にみえてしまうかもしれません。実際、コミック版では虎杖悠仁と伏黒恵は互いに切磋琢磨しあうというより、それぞれ別の場所にライバルを見つけて自身を鍛えるというプロセスをとっており、その間、関係は分断されていました。

ただ、この親友関係は僕は過去作にはないメリットも生み出すと思っています。──それは虎杖悠仁あるいは伏黒恵の「闇落ち」という事件によって。

五条悟の過去編で親友が闇落ち(乗っ取られた)というのがありますが、おそらくそれに近い関係が虎杖悠仁と伏黒恵との間に発生すると僕は予想しています。

虎杖悠仁は中身が両面宿儺なので、乗っ取られた虎杖悠仁にガチンコで伏黒恵が相対するというのは大いにありえますね。また伏黒恵もその「考えすぎる性格」と「家柄」のせいで、呪術師側を抜け出してサスケのように独自に行動するというのも大いに有り得そうです。

いずれにしても、この新時代の熱血&冷静キャラの関係というのは、旧作への逆張りの意味合いもあると思うので、そのままで終わるとは考えづらい。そのまま終わったら、何のために親友になったのか意味がわかりません。

呪術廻戦の原作者の構成力や物語作成力は、僕はブリーチの先生以上だと思っているんですが(笑)、そういう面からも、虎杖悠仁と伏黒恵の濃厚な衝突(意味深)というのはちょっとドコかで期待してしまうんですよね。

つまりは、本編ではたまに影が薄くなっている伏黒恵ですが、引き続き注目ですし、もっというと虎杖悠仁との関係は、本当に目が離せないものになるんじゃないかな、と思っています。