チェンソーマンはグロいだけ?実は奥深さを持ったおもしろい物語です

チェンソーマン
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チェンソーマンという人気漫画をご存知の方もいらっしゃると思います。

本編はすでに第一部が完結済。そしてこの度、チェンソーマンのアニメ化が決定しましたよね。製作はMAPPA。呪術廻戦とか進撃をやっているところで、質は折り紙付きです。

©藤本タツキ/集英社・MAPPA

個人的にチェンソーマンのアニメ化には期待しかないんですが、ここでどんな作品なのか改めて魅力を力説してみたいと思います。非常に言語化しづらい作品なんですけどね。。

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感想:アニメ化の決まったチェンソーマンってどんな漫画?

チェンソーマンは週刊少年ジャンプで連載されていた、スプラッターアクション漫画です。作品自体は第一部が完結しています。

作者は、ファイアパンチでお馴染みの藤本タツキさん。ファイアパンチの時代から非常に才能あふれる漫画家さんで、チェンソーマンでもそれが存分に発揮されていました。

また、アニメ化とあわせて第二部が少年ジャンプ+にて掲載されることが予定されているようです。

チェンソーマンのあらすじ

悪魔の驚異にさらされている現代に似た架空世界の日本で、父親の借金のせいで貧乏をしていた少年デンジは、チェンソーの悪魔ポチタと共にヤクザに雇われたデビルハンターをしながらどうにか生きていた。

しかし、ある日、残忍な悪魔に狙われたことで、ヤクザを皆殺しにした。そして疲弊してうなだれていた所、公安警察のマキマというお姉さんに飼われることになった。デンジは自分に優しくしてくれたマキマを好きになり、そしてマキマの為に、日々社会を脅かす悪魔と戦うことになった。

©藤本タツキ/集英社

少年デンジは、ポチタという悪魔と契約したことで、チェンソーマンというほぼ不死身で強力な力をもった悪魔になることが出来る。しかし、その力は諸刃の剣で、自身を傷つけてしまう為に、公安でも安易に使うことが出来なかった。

©藤本タツキ/集英社

デンジを飼う事を決めたマキマは、公安対魔特異4課のミステリアスなリーダーで、その超法規的な力と、超悪魔的な力で持って、デンジやその周辺をあやつり、悪魔との戦いをコントロールしていた。

そして、デンジの周りには、同僚たちもいます。

早川アキという青年は、悪魔に恨みをもち、公安のデビルハンターを行っているデンジの先輩。デンジは彼と同居することになった。

突然デンジらのところに転がり込むことになった、パワーという少女はおなじくデビルハンターだが、悪魔が死体に憑依した魔人という存在で、デンジのバディ(パートナー役)となる。魔人=悪魔でありながら理性的で猫好きで、おなじく、早川アキと同居することでなんのかんのと暮らしている。

そしてデンジは、取り巻く数多の公安デビルハンターとともに、食べて寝て恋をして、悪魔退治を進めて行くが、一人また一人と同僚も敵も死に、あるいは去り、消えていき、やがてデンジは最後の戦いに向かうことになる──

ここだけ読んでしまうと、ナンノコッチャと思うかもしれません。チェンソーマンについては、本編を読んでくださいとしか言えない部分が大きいのが辛いところですね。

絵的にはアクションといいつつ、止め絵のカットが多くてですね、古いマンガでいうと、上條淳士のトーイとかを思い起こさせる絵柄の、かっこいい漫画です。

しかし、見た目(スプラッタ)以上に奥深い漫画です。何故か目が離せない物語になっています。

何故こんなに惹かれるのか?

ここからは、本編を読まれた方に向けて書いていきたいと思います。

なぜ、私達はチェンソーマンに惹かれたのか?チェンソーマンの魅力とは何でしょうか?

以下、目立つものから挙げていきます。

1.スプラッターアクションがすばらしい

チェンソーマンといえば思い切りの良いアクションです。血しぶきどころか、脳漿やら内臓やら、肉塊やらが飛び散るアクションは、モノクロだからかそんなに怖い感じでもなく、むしろアーティスティックで、爽快感があります。

縦横無尽に様々な能力を発揮して動き回る悪魔たちには、驚きとかっこよさがあって、見ていて飽きのこないものになっています。

これらは作者藤本タツキさんの画力でもって、描かれているのが魅力の一つだと思います。

2.キャラクターが魅力的

続いてキャラクターの魅力について。

チェンソーマンには敵対する悪魔にも公安側のデビルハンターにも、様々なキャラクターが登場します。その外見はおどろおどろしいものがあって、とても怖いのですが、一方で人間臭く、愛嬌があって、どこかにくめないところがあります。

デンジ周辺のデビルハンターも敵対する悪魔もとっても魅力的で、初めは気持ち悪いと思っていたのが、いつの間にかちょっと応援してしまうようなキャラクターになってしまっていることが多々ありました。

©藤本タツキ/集英社

この、奥深く多面的なキャラクターはとても魅力的なものになっています。

3.謎が謎をよぶがどこか親しみのある不思議な世界

さらに、物語を盛り上げるのは世界観ですよね。

悪魔が存在する世界で一般人は脅かされて生きてる訳なんですが、その力をめぐって、世界は裏でいろいろと動いているのです。

初期の段階から、マキマさん周辺にはそんなきな臭い匂いがあったんですが、それがデンジを巡って物語が進むにつれて、少しづつ解き明かされ、物語の面白さを際立たせてくれます。

悪魔という存在が、どこか現実世界の悪意にリンクしたところがあるのは、ちょっと呪術廻戦に近いところがあるかもしれません。変な世界ですが、私達の日常の延長にあって、とても親しみがあるんですよね。

さて──いちおう3つほど特徴を書きましたが、チェンソーマンの本質的な魅力はそれとは別のところにあると思っています。

それは主に主人公から発信されます。

デンジというキャラクターの魅力

チェンソーマンの主人公であるデンジはバカです。

教育を受けていない&一般人としてマトモに躾られていないので、もうどうしようもないくらいアホアホです。しかし、愚かかというとそうではなくて、クソ野郎かというとそこまでではなくて、純粋で素直な男子です。言動はアレですが、優しさも持っています。

©藤本タツキ/集英社

彼は難しい策謀が出来ないので、物事をあまり深く考えません。ちょっとは悩みますが、とても深く悩むということもあまりありません。社会がどうとか、敵がとか、そういうことは考えていません。日々、生きて、喜怒哀楽を表現し、美味しいものを食べたいと願い、寝て、起きて、そしてマキマや他の女性たちに恋をして生きています。

彼は彼の中にある、ささやかな善悪の基準を元にして、等身大の戦いと生活をしていきます。

これが、何故か、読者側からはとっても魅力的に映るんですよね。

デンジは日常に立ち戻る

デンジは、いつもあんまり世の中の為に戦ってる感じもありません。常に等身大の「生きる」に軸足を置いています。自分の目の届く範囲のことに一喜一憂するキャラクターです。

デンジにとって大切なのは「日常」なんですよね。本当に根本的なところで大切にしたいものというのは、「日常」とか「安心」とったシンプルなものだと思うんですよね。

そして、デンジという少年は、その安心や日常というのを常に根底にもっていて、戦ってもかならずそこに立ち戻ってくるから、見る側にも安心感があるんです。細かく言うと「デンジの優しさは、読者を絶対に裏切らない」という安心があるんです。悪魔的でありながら、ポチタを抱いて悪魔になったデンジは、契約上かならず他愛もない日常に戻ってくることになっているからかもしれません。

©藤本タツキ/集英社

デンジは、どんなに凄まじく辛い事があっても、かならず平穏な日常に戻ってくるんです。これが、殺伐とした実社会の生活において、とても尊い物に映るんじゃないかと思うんです。

ただ、チェンソーマンが強いだけだと、チェンソーマンというキャラはヒーローにならなかったと思うんですよね。チェンソーマン=デンジが、戦っても日常に戻るからこそ、私達にとっての魅力的な新しいヒーローに見えるんだと思うんです。

デンジの願望は私達を後押しする

そこにあるのは、生きることへの素直な願望です。デンジの根底にある願望は、殺したいとか壊したいとか、多くの人に囲まれて死にたいとか、巨人を駆逐したいとか、そういう難解で具体的なものではないんです。

彼の願望はシンプルです。

美味しいご飯がたべたい。

誰かに優しくしたい。

誰かを愛したい。

あの子と一緒にいたい。

そんな程度です。

他の漫画とかだと、結構、たいそうなお題目が掲げられていますよね。呪術廻戦も鬼滅の刃も進撃の巨人も、大きな目的があって、そのために殺伐としたストレス下にあり、日々を過ごしています。戦っています。

しかしデンジは違うんです。具体的な闘争の目的というのは、ほとんどなくて、あるのは些細な日常への願望です。

©藤本タツキ/集英社

この等身大さは、よく考えると私達そのものなんですよね。多くの人は、そこまで面倒くさい目標をもって日々暮らしていないんですよ。仮に、それなりの力があったとしても、根底にあるのは、マズローの欲求でいうところの、生理欲求から安全欲求くらいまでなんですよ(喜怒哀楽と衣食住、他者との愛程度)。

デンジという存在は、そういう他愛もない私たちの有り様を強烈に肯定しているんです。だから、チェンソーマンとデンジに私達は心惹かれるんじゃないかな、と思うんですよね。

「難しいことを考えずに、美味しいものを食べて寝て起きて、好きな人にキュンとして生きてもいいじゃん」と。「あ、そんな些細な理由で日々を暮らしてもいいんだ」と。

チェンソーマンたるデンジは、最後までブレることなく、そのキャラクター性を貫いて、物語を終えています。それが特別だった。これは昨今の物語が扱うテーマの中では、けっこう特殊な部類だと思います。

チェンソーマンはおもしろい?つまらない?

以上のとおり、チェンソーマンの本質は、アクションではなくて日常の方にあると思っています。

なので、もし、あなたが血湧き肉躍るアクションに加えて、等身大の、本当に他愛もない、些細な日常ドラマを見たいなら、漫画に加えてアニメ化したチェンソーマンとデンジとその周辺を観察することをおすすめします。

悪魔が登場し、悪魔的でありながら、彼らはとても天使的で、魅力的で、愛くるしい存在です。

そして、一通りのアクションが終わったあとで差し込まれる彼らの日常は、頑張りすぎた私達に、肩の力を抜いても良いと思わせるものを提示してくれます。そこには、たまにちょっと切なさもあるんですけど、一方で、もうちょっと毎日を頑張ってしまおうかな、というような力も与えてくれるのです。

そういう魅力的でおもしろい物語が、チェンソーマンという作品なのです。

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