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絶対に役立つ小説テク本紹介〜「ミステリーの書き方」幻冬舎文庫

興味・雑記
©米澤穂信・角川書店/神山高校古典部OB会

小説家志望の人に、一つとても参考になったとっておきの本を紹介したいと思います。

基本的に僕は、ミステリというのは、読まなくはないのですが、どうも密室や殺人モノというのが苦手でした。

理由としては「そんなんあるかい!」というトリックの為に、逆説的にストーリーが作られるという構造が大嫌いだからです。ミステリ好きに言わせると、作家の仕掛けたヒントを頼りに答を探す知的遊戯的な側面を強く好む人も多かったりするのでしょうけど、殺人の仕方と動機のためにむりくり作る物語の展開構造がどうも苦手なのです。

しかし一方で、最近はミステリ要素をもった物語も数多くあります。

たとえば湊かなえ先生とかは好きなんですけど、あれは殺人でも密室でもなく事象のハテナに対してのミステリが数多く、純文学めいた側面もあって、とても楽しめる。そもそも、昨今の物語は「謎」のフリとオチを用意していないものはほぼ無くて、だいたい良い物語は多少なりともミステリめいた側面がありますよね。ライト系の書籍でもミステリは定番のものになっています。

©米澤穂信・角川書店/神山高校古典部OB会

つまり、作家志望者にとって、ミステリというのはあるていど書き方を知っていなければいけない嗜みになっていると思うのです。

そんな、状況もあって食わず嫌いはよくないと、いろいろと読んだりしていたんですが、中でもミステリの書き方について最もヒントをくれた書籍が表題のこちらでした。

ミステリーの書き方 (幻冬舎文庫)
日本推理作家協会 編著 (著), 赤川次郎 (著), 東直己 (著), & 41 その他

こちらの書籍の内容ですが、日本国内の有名ミステリ作家がどういうふうにミステリを書いているのか、何を注意しているのか、というのを紹介する書籍です。細かい話まで及ぶことは少ないんですが、ミステリ作家が何に要点を置いて物語をつくっているのかが、様々な視点で語られていてとても面白かった。

中でも宮部みゆき先生の話はミステリがどういう構造で作られているのか、非常にわかりやすく説明してくれていて、物語──とくに短編作りのヒントになりました。

宮部みゆき先生のミステリの考え方は、シンプルに説明をすると以下の通りです。

  1. まずはじめに、ある人物を中心に何がしかの変な証拠や行動の記録が残る事件をつくる。
  2. 次に、その事件の解明を「誰の視点で描いたら最も面白いか」を考え、その人が導かれたら、そいつを主人公に物語を作る。

のだそうです。

これは非常にわかりやすかった。つまりAという事件の周辺にはBやCやDがいて好き勝手なことを言っているんですけど、ここで探偵を連れてくるのではなくて、Aに関係しそれを探求したいと思える、いずれかの人物を設定し、物語を作る、と。

そういうやり方であれば、私の嫌いな密室トリックで人が死ぬような構造のミステリにならないのでいいなー、と思いました。まあ、作るのはいずれにせよ大変ではありますけどね。

その他、この書籍では他の先生方もいろいろと解説をしてくださっています。

宮部みゆき先生の書き方を「えー?」と思うような人もいると思います。そういう人も、ほかの先生の書き方を見てビビッと来ることもあるんじゃないでしょうか? これだけの人数がいると、さすがに相性の良い先生も見つかるんじゃないかと思います。

そんなお得感もありつつ、とにかくミステリ系の小説執筆テクの本ではこれが一番タメになりました。

オススメですよ。

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