小説&脚本の書き方の参考になった本紹介〜感情から書く脚本術

物語の創作術
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私は、仕事の一つにごくごくたまに脚本業があり、趣味で小説をかくような人なんですけど、そのスキルを身につけるにあたって、参考になった書籍を一つご紹介。

感情から書く脚本術

「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方 単行本

著者:カール・イグレシアス、訳:内島哲朗

タイトルのとおり、物語における感情の描き方について言及した本になります。

さて、脚本というのは、基本的にはカメラを覗き見た結果の「絵」を想像しながら執筆するものになります。そして、それを形作るための情報というのは、人物の造形だったり、世界観だったり、背景の景色だったりする訳です。

脚本はそういうものをト書きとセリフに起こして、物語を形作ります。

ただ、よく初めて脚本を書く人がやりがちなんですが、記載される内容が設定や状況の描写に偏ってしまって、そこの人物が見えてこない、ということがあるんですよね。あるいは、やたらと説明が長いセリフになってしまったりとか。

これは、脚本だけではなくて小説にも起こりうることです。もっとも、小説のほうは、地の文で感情を吐露する事が可能なので、ちょっと事情が違いますけど。

さて、そういう、状況の描写や解説に特化してしまって感情が見えなくなってしまう物語について、警笛をならしつつ、その解決方法についての事例をおしえてくれるのが、この本になります。

同書の特徴

言っていることはシンプルです。

まず、基本的な脚本の要点が記載されています。コレは一般的なものですが、役に立つのは、コンセプトやテーマの扱い方を丁寧に教えてくれたこと。

ただ、それ以後が私は参考になった。

映像脚本の物語において大事なのは、冒頭から終わりに向かう中での、主要な人物の感情の変化である、と。主人公がある事件に遭遇し、そこで体験したことを踏まえて、どう感情を表現するのか、それが物語内の複数の事件によって、どう変わっていくのか、それらを意識して、ト書きとセリフを作成せよ、ということですね。

この書籍は、そういう状況から人物の感情を奥深いものにしてくれる「場面のケース」を色々と教えてくれます。具体的なシチュエーションよりも、人間関係とか場面関係における構造の話をいろいろとしてくれていて、これが参考になりました。

緊張をつくる場面づくりはどうすればいいか? 人が誰かを説明するとき、助けるとき、擁護するとき、どうすればダイナミックになるのか? 等々、状況と場面構成をいろいろと教えてくれる本です。

目次でいうと以下のような感じです。

脚本ベースの考え方ですが、漫画とか小説の場面応用できますよ。

おすすめです。