由比ヶ浜結衣は、負けないヒロインを目指して共依存を食い破る。

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
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©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

※注意:俺ガイル完8話次点のネタバレ含む。

俺ガイル完も中盤を過ぎて後半に向かい、そろそろ物語は佳境に入ろうかという所に来ていますね。筆者は、原作未読ですが、アニメでわかる範囲において、この2〜3前の俺ガイル関連の記事で、八幡とゆきのんの特殊な関係と、ガハマさんの不自然さについて幾つか論じさせていただきました。

過去記事をまとめるとこんな感じ。

  1. 俺ガイルの女子のリアルさは女子特有のワガママを描いてみせた事にある。
  2. はちまんは逆張りチートで、ゆきのんは正論チートで、二人は対になる存在である。該当記事
  3. ガハマさんだけ、実は不自然なほどラノベ寄りの都合の良い女子キャラだったりする。
  4. 俺ガイルの作品評価は、ガハマさんが都合の良い女子キャラを抜け出して、ワガママな選択をするかどうかで決まる。該当記事
©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

そんなような話をしたような気がします。つまり物語の要点は由比ヶ浜結衣次第であると。そうしたらね、あらやっぱりボールは由比ヶ浜結衣に戻ってきました

正直なところ、ガハマさんは、このまま「母性発揮にこやか見送り負けヒロインエンド」だと思ってたんですよ。ははん、その程度かい俺ガイル、と思ってました。しかし第8話において、八幡とゆきのんの勝負の決着の果てにあった「何でも好きなことを要求できる」というエロい約束事に対して、勝者のゆきのんは「由比ヶ浜結衣の願いを叶えること」という要求を出してきた。

これには、驚きました。これによって由比ヶ浜結衣は物語の主軸に戻ってくる

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その手があったか!

筆者は、個人的には、ずっと俺ガイル完における由比ヶ浜結衣の必要性が感じられなかったんです。それほど、ガハマさんはカワイイ以外の点において無価値なアイコンとして扱われてきたと思っている。話はずっと八幡とゆきのんのやりとりに焦点があてられ、由比ヶ浜結衣は、いちおう絡みながらも本編の蚊帳の外に居るように見えた。

それが、雪ノ下雪乃の一言で、ゆきのん姉や、いろはす他、並み居る強豪サブキャラを押しのけて、一気に八幡とゆきのんの関係を決める最重要人物のポジションに戻ってくる。

©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

ちょっと鳥肌立ちましたよ。

雪ノ下雪乃にとって、由比ヶ浜結衣は比企谷八幡に匹敵する大切な人だった。考えてみれば当たり前の事なんですが、いままでその素振りを一切隠すような描かれ方になっていたので、正直、そうであることを忘れていた。なんなら雪ノ下雪乃は薄情なヤツだなあ、いかに立ち場盤石な正ヒロインだとしても、ガハマさんの扱いがちょっと雑なんじゃないの? なんて思う始末でした。

考えてみれば当然の展開

いつだって由比ヶ浜結衣は、素直になれない雪ノ下雪乃と比企谷八幡のつなぎ役であり潤滑油であり最重要人物なんですよね。彼女がいなければ、たぶんゆきのんと八幡は、第一話あたりで真っ向勝負で喧嘩をして相容れないまま高校生活を終えるんです。

そして、冷笑的な八幡が何処まで自覚的かはわかりませんが、少なくともゆきのんにとって、由比ヶ浜結衣に断り無く、八幡との関係や行く末を決めるということはありえない。雪ノ下雪乃は、自身のあらゆる事柄を独善的に決めてきたが、ゆきのんと八幡の事だけは、彼女が大事に思うがゆえに、決定権を放棄しているんですよね。それは、八幡もそうで、彼もおそらくぎりぎりまで決定を先延ばしにする。

なるほど──ということは、ここで「決めなければいけないのなら、こういう形にしようよ」と、提案するのが由比ヶ浜結衣に与えられた役割なのだろう。実際彼女は、8話において初めて、一人だけでゆきのん姉にアプローチしたりしている。そしておそらく、8話の展開の通り、今後は彼女の決断が物語を決定づける。

©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

ガハマさんは、本物と共依存を食い破る

俺ガイルは本物とか共依存とかそういった言葉を本編のキーワードとして使っています。しかし、筆者は一貫して共依存とか本物とかどうでも良いと思っている。それは、大人になると当たり前についてまわるものであるし、人はそんなに完璧でなくてもいいと思っているからなんですが──ここで由比ヶ浜結衣を見ていてふと思うことがあります。

チートな比企谷八幡と雪ノ下雪乃に対して、由比ヶ浜結衣というのは、あの三人のなかでは最も不完全な「小市民の代表」にあたるんですよね。で、決定権が由比ヶ浜結衣に預けられたということは「本物」や「共依存」という、二人のチートキャラが天才であるがゆえに捕らわれる諸問題──それを食い破るのは、もしかしたら「小市民」の由比ヶ浜結衣ということになるのかもしれない。

ようするに完璧である必要はない、気にすることはないという提言を由比ヶ浜結衣だけがなし得る。今の展開のこのポジションだと、由比ヶ浜結衣はとんでもないジョーカーになるよなあ、と。※このへん、原作未読な上に妄想ですけどね。

ま、どんな結末になるにせよ、個人的にはEDのいくつかのカットが一つの理想形だと思うんですよね。雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣が楽しげに話している。それは、二人の少女にとって、全くもって放棄する必要のない目指すべき未来像そのものでしょう。まさか百合エンドではないだろうけど、おそらく由比ヶ浜結衣は、八幡もゆきのんも含めたその三人の関係の継続を、どういう形になるにせよワガママに求めてくると予想できる。

©渡 航、小学館/やはりこの製作委員会はまちがっている。完

そしてそれは、由比ヶ浜結衣というピンク髪のちょろい萌えキャラが、今までずっとワガママらしい発言をしてこなかった都合の良い女子であるガハマさんが、劇中を通して唯一貫こうとするワガママになる。彼女はそれによって、初めて女性キャラクターとしてのリアリティを獲得するんだろうな、と思っています。もしそうであるならば、俺ガイルの物語の構造は、そうとうシェイプされた素晴らしいものになると思う。

そんなこんなで、ラストに向けての今後の三人の活躍が楽しみでなりません。

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