弱キャラ友崎くん〜主人公がいい子で結構面白い作品だよ?

弱キャラ友崎くん
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弱キャラ友崎くんが、普通に面白いじゃない?

いや、第一話を視聴した周りの評判がホントに酷かったので、どうなんだろう?と思って見ていたんですけど、3〜4話あたりから、ぐっと話が盛り上がってきて、展開にいろんな可能性が出て来た。

細かく見ていくと、アニメの方もけっこう丁寧にいろいろ伏線を張っているようだし、改めて面白いポイントを解説。

で、弱キャラ友崎くん、おもしろい?つまらない?

以前の記事でも書きましたが、この作品をつまらないと断じた人たちが抵抗感を抱いたポイントというのは、ある一点に集約します。

「リア充だけが幸せじゃないだろ!?」

で、これに対して私の答えは2つ。

「何であれリア充にこしたことはない」

「何かを突き詰めて充実すればやがて誰もがリア充となる」

以上の屁理屈を踏まえて、作品としていいなー、と思ったのがこの主人公「友崎くん」です。

この作品は、ゲーム攻略という考え方をベースに人生についてのチャレンジをしていますが、こと何かに取り組む、ということに対してこの友崎くんはものすこく「真面目で素直な子」なんですよね。

一話の段階における友崎くんの抵抗感というのは、まさに視聴者と同じ抵抗感だった訳です。リア充とはそんなにいいものか?と。

それが、ヒロインからのオーダーに答える内に、結局「テンプレ的リア充像」から、自分が望ましいと思える「リア充」=かっこいい生き方、多くの人達から共感が得られる生き方に軌道修正してきているんですよね。

だから1話に抵抗感が会った人も、3話〜4話くらいまでみると、あれ、結構ちゃんと「がんばる」作品なんじゃん? と思えると思う。

そして、それが、この作品に可能性とおもしろさを与えている。

好感度の高い主人公

物語に大切な要素として、感情移入できるキャラクターというのがありますよね。

でこの弱キャラ友崎くんというのは、とってもリアリティがあって共感性の強いキャラクターになっています。というか、共感性がつよすぎて、共感性羞恥をひきおこす、ちょっとしんどい瞬間があるのは、前回指摘したとおりですが、それを差し引いても、彼は、リア充やゲーマーである、ということ以前に、生きることに対して真面目なんですよね。

さらに、振る舞いにもリアリティがある。あー、そういう行動とるよね、というような逐一納得感のある振る舞いをしている。しかも真面目。これが、俺ガイルの比企谷八幡だと、のっけからかなりデフォルメされたクズなんですけどね。

この友崎くんの真面目さとリアリティというのは、作品のメリットでもありデメリットでもある。リアリティのせいでおそらく見たくない人もいるでしょう。しかし、問題解決型How Toコンテンツと考えたときに、ある程度のリアリティは作品内のメソッドを提示する際に必須となってきます。でなければ、ヒロインの言うリア充メソッドに説得力がなくなってしまう。そのあたりは仕方がない。

そのリアリティを差し引いていったときに、大切になってくるのが、主人公の真面目さです。本当にヲタクやクズをリアルに描いたらちょっと気持ち悪くて見れないんですよね。

比企谷八幡はそこをデフォルメすることで回避した。弱キャラ友崎くんは、彼を真面目で好感度の高いキャラクターとすることで回避している。

けっこうギリギリのバランスで「おもしろい」をキープしている主人公だと思いました。

テンプレに見えたキャラクターたちの背景も早い段階で提示

さらに話が進むにつれて、弱キャラ友崎くんの周辺状況も見えてきます。

初期の段階における「リア充のイメージで塗り固められたキャラクター」たちも、学園ヒエラルキーの中で様々な葛藤を抱えているらしいことが、少しづつ判明してきます。

当たり前なんですけど、かなりよく考えて人間関係を作ってありますよね。だれがだれを思い、嫌い、どう振る舞っているのか、そこでだれがどう立ち回るのか?

ライバルの位置にいる強キャラの中村 修二ですらうっすっペラいながらも背景がある。なるほど、リア充になったことで、友崎くんは、こんどはリア充のアレな人間関係の悲喜こもごもに巻き込まれるんだな、と理解できる。

それは、友崎くんが髪の毛を整えて、他者とコミュニケーションをする準備が出来た頃に連動して、一気に広がる。

文字通り、振る舞いとガワを変えたことで、世界を広げたんですよね、友崎くんは。

で、思った以上に陰キャ脱出は早かったと思える。たぶん1話で挫折した人は、あのリア充になれないムズムズした感じが8話くらいまで続くんじゃないかと思ったんじゃなかろーか?

ところがどっこい、3話くらいからキャラの思惑が様々に提示されるようになってきました。こうなってくると、学園モノというのは俄然おもしろくなる。後言ってしまうと、3話時点でたぶんもうリア充に片足つっこんでるよね、友崎くん。

展開が早いがゆえに気になるメインヒロイン

さてはて、そんな感じでちょっとおもしろくなってきた友崎くんですが、気になるのは、実はヒロインの日南 葵

この手の作品というのは、初めに接したヒロインとゴールするのが定石でしょう。で、どう考えても日南と友崎は、劇中において誰よりも理解しあえる関係になるはずです。それが決まっている。

しかし、二人が添い遂げるには劇中最大のハードルというのを二人の前において、一緒にクリアしなければならない。比企谷八幡が雪ノ下雪乃の問題に早い段階から気づき、作品を通してクリアしてきたように、日南 葵にも何かがあって然るべきです。

ところが、それがまだ提示されていないらしいんですよね。アニメではもちろん、原作でも課題提示されていない。普通に考えると、ゲーム好きの日南のことなので、友崎くんは育成ゲームです。どう考えても、育てたキャラクターは手放したくない、という流れになるはずなんですが、そのあたりの描写が見たくてしょうがない。

でも、原作ですらその兆しがないなら、アニメ版では一切描かれることはないんでしょうね。

いちばん面白いを作れそうなポイントなんだけどなー、それ描くとお話が終わっちゃうんで出来ないんでしょうね。

まずは周辺キャラの攻略&でもメソッドネタはどうなる?

同作は今期において、まずは周辺キャラの攻略か。

それぞれ思惑があるなかで、友崎くんがどう立ち回るのか? 今の所はちまんと違って、クズ振る舞いはしない。というより真っ向勝負の痛い寒い共感性羞恥を引き起こすキャラクターになっています。

だからこそのアクの無さが気になりますが、周辺キャラは丁寧に行動動機がえがかれていることもあり、飽きずに完走できる作品だなと。気になるのは日南メソッドのネタ切れくらいですかね。絶対、リア充HowToのネタ切れるじゃろ? どうするんだろ? ていうかもう切れかけているんじゃ?

パソコンスクールとかでもそうですけど、継続利用はメソッド&学習型じゃなくてサービス型じゃないとむづかしいですよね。

学習型は学んだら卒業しちゃうので。

いずれにせよ、そのあたりもふくめて引き続いて見ていきたいと思います。