結局、何をどう選べばいいのか?
発電機って、いろいろありますし紹介されていますけど、正直何買ったらいいかわからないんですよね。そもそも、違いはどこにあり、どんな機能があり、どういう基準で選んだらいいのか──ここでは、そんな発電機のことについて、丁寧にわかりやすく解説&紹介していきたいと思います。
発電機の種類について
発電機は大きく4種類ほどあります。家庭用やアウトドアで使うのはうち2種類くらいですが、ざっと説明します。対象は下記の四種。それぞれ特徴があります。
インバーター発電機
サイクロコンバーター発電機
スタンダード発電機・三相発電機
種類をあげましたが、特徴としては下記のとおり。家庭やアウトドアで利用するものは基本的にインバーター発電機とサイクロコンバーター発電機の2種になります。
比較ポイントとしては──
インバーター式は電子機器に使えるが、高価で出力コスパが最も悪い。
インバーター発電機はコンパクトで電子機器にも利用可能だが、機器自体も出力あたりの価格が高価で最もコストパフォーマンスが良くありません。
サイクロコンバーター式はコスパにやや優れるが、電子機器が使えない。
対してサイクロコンバーター式発電機は、インバーター発電機よりもコストパフォーマンスに優れるが、電子機器には使えない、というリスクが1点だけあります。
何故ダメなの?:発電機は回転数が変われば発電される電気の出力がかわります。インバーターは、それを整える機構をもっているので電子機器にも使うことが出来ます。
何がダメなの?:電子機器は、家庭用の安定電圧を前提に作ってあるので、電圧や電流が不安定だと、出力不足や高負荷によって破損してしまいます。逆に、電灯や扇風機といった、マイクロプロセッサを使っていない機器は、問題ありません。
なんともモドカシイですが、両方の特性を理解して、自身に合ったものを選ぶ必要があります。
選び方
比較のポイントは以下の通り
- 燃費と稼働時間
- 静粛性、重量、サイズ
- 定格出力
比較は、令和二年時点で以下のものをチョイスしました。
ざっと見てもらうと分かると思うんですけど、ポイントとして、「稼働時間」「定格出力」「サイズ重量」そして「燃料容量」が目立つ差になっています。
燃費と時間について
インバーター発電機は、エネボ以外は、燃料容量あたりの稼働時間はあまりかわりません。むしろ、パッとみた限りではサイクロコンバーター発電機よりも、燃料あたりの稼働時間が長いように見えます。
しかし、発電機の稼働時間というのは実は出力にも影響を受けます。例えば1800VAのインバーター発電機が7.5時間で、2400VAのサイクロコンバーター発電機が5.8時間となっていますが、サイクロコンバーターを1800VAで稼働させると、稼働時間は7.5時間を超えて動くのです。最大連続運転時間はそのあたりも鑑みて判断する必要があります。
静粛性と重量
基本的に発電機というのはうるさいです。そして出力はエンジンに依存しますので、高出力なものほど重く、大きく、うるさくなります。ただ、静粛性という話でいうと、わりと似たりよったりだったりします。
発電機は屋外で使う場合は業務用の延長コードを伸ばして、居住スペースより離れた場所で遮蔽物の間に置いて使うことになるので、静粛性はある程度我慢することで対応するのが良いと思います。
定格出力
発電機の重要な指標が定格出力です。これは、シンプルに出力可能なワット数だと思ってください。つまりは1800VAなら家電機器の合計ワット数が1800Wまで対応可能ということです。
ただ、注意しなければいけないのは、電子機器というのは、起動ワット数と稼働ワット数には開きがあります。往々にして起動ワット数は稼働ワット数の2〜3倍になりますので、そのあたりを鑑みて、発電機に接続する必要があります。
電子機器の利用について
結局、どれを選ぶかは、値段と容量と電子機器利用の有無が要点になります。あなたが災害やキャンプで電子機器をどこまでつかうのか? 実はアクロバティックな解決方法もあるのですが、それは別にお伝えします。
おすすめの発電機
さて、以上の説明を踏まえて、主要な発電機について、おすすめしていきたいと思います。情報は令和二年時点でのAmazonおよび価格コムを参考にしています。
インバーター発電機
ホンダ(Honda) 発電機 EU18i
発電機の定番メーカーホンダよりEU8i。これは、いま市場で最も人気の発電機です。その特徴は実用に足る1800VAの出力と稼働時間をコンパクトに実現した最新のインバーター式発電機。また12V出力も可能で、工具用バッテリーの充電などにも使えます。インバーター式の中では燃費もよく、機能としては申し分ありません。ただ、騒音は通常の発電機と同じ程度で、価格はかなり高額な部類に入ります。
燃料:ガソリン3.6L
稼働時間:7.5時間
出力:1800VA
インバーター式:電子機器可
ホンダ(Honda)発電機 エネポ EU9iGB 900VA
続いて、昨今人気のカセットコンロ式発電機のエネボ。その運びやすいサイズや仕組みと、日本ならどこでも手に入るカセットコンロを使う燃料方式により、一時期よりずっと人気がある発電機です。インバーター式でもちろん家電製品対応。家庭用の非常電源としては申し分ありません。ただ900VAの2.2時間という稼働時間は、長期避難を強いられた場合は、物足りないかも知れません。特に、燃料のコスパは一番わるく、カセットボンベ二本で300円〜500円程度かかることを考えると、ガソリン式は同じ値段で3倍〜5倍以上稼働します。しかもやや高額。
燃料:カセットボンベ×2本
稼働時間:2.2時間
出力:900VA
インバーター式:電子機器可
工進 インバーター発電機 (定格出力1.6kVA) GV-16i
続いてインバーター式でやや割安なもの。工進というポンプやエンジン機器メーカーの開発した、インバーター式発電機です。この製品の特徴は、割安なことに加えて、静粛性に優れます。またエネポよりも出力が1600VAと高く、長時間稼働にも耐えます。ホンダのEU18iに比類する性能をもちながらも、インバーター式の中では、購入価格はほぼ半額です。また12Vにも対応しており、予算が無い場合は選択肢の最有力となります。
燃料:ガソリン4.2l
稼働時間:9.2時間
出力:1600VA
インバーター式:電子機器可
ヤマハ EF1800IS
さて、最新鋭のもの安価なもの、カセットボンベのものと紹介してまいりましたが、そこそこの出力で長時間使えるものが欲しい。そんなときは、ヤマハの発電機を選びましょう。定格出力1800VAで12V直流も使え、稼働時間はなんと10.5時間。最大出力でまる一日持つことになります。値段はホンダのEU18iと同程度です。ホンダとの違いは、リッター&定格出力あたりの燃料コスパ程度。計算してゆくとホンダのものよりも若干燃費が悪いようです。それでも長時間の利用がしたければチョイスするのはアリでしょう。ちなみに上位機種にはEF2500iというのもあり、こちらは13時間持ちます。
燃料:ガソリン4.7l
稼働時間:10.5時間
出力:1800VA
インバーター式:電子機器可