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呪術廻戦〜五条悟と虎杖悠仁とかいう、愛され切ない公式師弟のたどり着く場所

呪術廻戦
(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

五条悟と虎杖悠仁の師弟関係がカラッとしていてストレスがなくて、見ていて楽しい。

なぜ二人がこんなにもしっくりくるのか、そこには何があるのか?──そのあたりについて、あれこれ考察したいと思います。

通常はストレスを伴う師弟関係

さて、師弟モノというか、師弟関係を描いた作品って、いろいろありますよね。それが主題であることは少ないですが、だいたい少年バトルモノにおいて、主人公の成長過程で、何がしかの師弟関係が形成される展開というのは、定番です。

先生がいて生徒がいる。

玄海と幽助とか、亀仙人と悟空とか、自来也とナルトとか、ビスケたんとゴンさんとか、マスターアジアとドモンとか、リサリサとジョジョとか、とにかくあらゆる作品において師弟というのは常に存在している。

©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会

ただ、多くの場合において、その師弟というのは、ちょっとした緊張感もありつつ、やや一方的なものだと思うんですよね。

もちろん「成長させる」という目的があるので、それは当たり前といえば当たり前なんですけど。

一方で、この虎杖悠仁と五条悟というのは、ちょっと普通の師弟とは違う感じがするんですよね。

五悠とは互いの「欲しい」が絶妙に合致した関係

実は、この二人の師弟関係というのは、現時点では絶妙に互いの欲しいが合致していると思っています。

まず虎杖ですが、こちらは明確ですよね。彼は呪術師として成長したい。呪術のノウハウがほしい。そのために、五条悟という師匠に対して、師匠の要求に対して、とても前向きに、前のめりに対応しています。

他の作品のように、師弟になるにあたって「疑い」を向けることもありませんでした。五条悟というとんでもない胡散臭いキャラを前にしても、何一つ疑問を抱くことなく、虎杖悠仁は応対します。そして、様々なものを吸収します。

対して五条悟ですが──彼は虎杖に順序立てていろいろなものを与えていますね。それが師匠の役目ですので。

ここはまずバチっと合致している。

(C)芥見下々/集英社

けれど僕は、この師匠側の存在としての五条悟というのは、どうも他の作品の師匠にくらべると特殊だな、と思っていて、現状はそれが現れている。

五条悟は、本来は弟子ではなくて並び立つ術者の仲間をさがしているんですよね。そして、そのお眼鏡に叶う若き才能を呪術高専に集めている。

伏黒、釘崎、虎杖ほか、あとナナミンとかもそうだったかもしれません。もちろん、能力のいたらない伊地知さんにも、圧をかけつつ配慮を忘れません。いや忘れてるか。いずれにせよ、彼は、部下や弟子やコマではなくて、なんだかんだと対等な仲間を常に求めている。

そこには師弟以上のプラスアルファの要求がある。

五条悟が求めるのは単なる呪術師の仲間以上の関係

さて、他の作品の師匠は、実は全員現役を退いた後なんですよね。対して五条悟は現役バリバリです。

これが何を意味するか?

五条悟は、社会への貢献とか、正義以上に、人生を楽しく謳歌したいと考えるタイプの男ですよね。それはまだ彼が若いからというのもあるかもしれません。しかし、それは結果として、弟子に対する要求にプラスアルファを加えることになります。

プラスアルファ、それは悪ノリです。

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

皆さんご存知、五条悟は性格が悪く、いっしょに戦う以上に楽しくワルいノリを仲間に求めている。ナナミンとかはそれで辟易していましたけど。

で、五条悟と師弟関係にある後輩、あるいは仲間たちというのは、現状これに対してみんな非常にノリが悪いんですよ。対して「虎杖悠仁」だけが、素直に悪ノリに付き合うんです。

悠二だけなんですよ、五条悟のボケに付き合うのは。ここに、五条悟の求める仲間の理想形が久々に生まれた瞬間でした。

彼は、自身のボケ悪ノリが、彼が望んだ通りにオチることを常にもとめています。コンビ芸でいうところのツッコミ担当をずっと探していたんです。

それをやってくれそうな存在が、現時点でいうと虎杖悠仁ということなんです。ナナミンとのコンビも好きですけどね、あっちはナナミンが拒みました。伏黒は距離を置いてますよね。真面目すぎてツッコミが下手なので、五条悟からも「ちょっと違うかな」とか思われています。釘崎は女の子なので互いに遠慮がありますよね。

そして、残ったのが虎杖悠仁なんですよね。虎杖だけが悪ノリに応える、五条悟が打てば響く存在だったんです。こうして、お笑いコンビ「五悠」が生まれるのです(適当)。

そういえば五条の旧相方って夏油傑だよね

さて、そんな感じで、虎杖悠仁と五条悟は、求めるものが互いに合致した、絶妙にしっくりくる師弟関係担っているんだと思っていますが、まあそれでも二人は年齢差があるので遠慮がありますよね。

それが今後いつまで続くのかもまだわかりません。

さらに一つ気になるのは──そういえば、本来五条悟の相方になるべき人物って、もうひとりいましたよね?

五条悟の旧ツッコミ役、夏油傑。芥見下々のスクールバディ・コンプレックスを体現した、公式カップリングのひとつ。五条悟と夏油傑。

(C)芥見下々/集英社

虎杖に伏黒がいるように、乙骨に狗巻がいるように、五条悟にもかつてちゃんと対等な相方がいた。そして自らそれを処断することで、コンビを解散している。

それが意味するものは?

細かく見ていくとちょっと切なさが臭う五悠という関係

ここで僕が思うのは、現時点でとてもしっくりくる五条と虎杖の師弟コンビも、やっぱり旧来の五条悟と夏油傑の関係と比較すると、かりそめの、一時的なものなんだろうなー、ということです。

互いに噛み合って、二人はキャッキャウフフしてますけど、やはりどうしても年齢差があって、噛み合わない部分も見える。遠慮もあるだろうし。さらにいうと、成長した虎杖は、いずれ伏黒や釘崎といった同世代の仲間たちのもとへ向かいますよね。

(C)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

作品のながれでいったら、五条はいずれ虎杖を送り出して、また一人になるんだと思っています。また、現時点でも、五条悟はすべてを虎杖に委ねることはしないでしょう。かつて、悪ノリもボケもツッコミも、弱音もすべてぶつけられたのは、たぶん夏油傑だけなんですよね。あの時の夏油傑の代わりは誰にも務まらないんです。

だからこそ、渋谷事変の夏油傑との邂逅がグッとくるわけで。

そして、成長した虎杖が離れていったあとで、一人残った五条悟はかつての過ぎ去りし過去に、夏油との関係に一人思いを馳せるんじゃないかな、とも思います。

そういう匂いも薫るあたりが、五条悟と虎杖悠仁の関係の、楽しくも切ないところだと思っています。