呪術廻戦〜禪院真依が刀によって禪院真希に託したもの

呪術廻戦
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呪術本誌、第149話雑感。同話で劇中双子キャラ、禪院真依と禪院真希の関係に一つの区切りがつきました。(※本編ネタバレあり最新話まで未視聴の方は閲覧をおやめください)

真依と真希

呪術廻戦は、登場キャラクターにさまざまな背景を付与しており、それを本編に絡めることで沢山のドラマを生み出しています。

なかでも、禪院家の双子、禪院真希と禪院真依は、呪術廻戦における特徴的な登場人物です。京都姉妹校交流会編では、彼女たちの、双子として、また禪院家に対しての複雑な思いを描くことで、二人が背負っているものを丁寧に描いていました。

呪術廻戦という物語において、禪院真希と禪院真依のどちらが重要なキャラクターであるのか?ストーリー構成上でいうと、禪院真希というのは、呪術廻戦0からも登場している、非常に重要なキャラクターですから、どうしても真依よりも重要なキャラクターですよね。

ほぼレギュラーキャラクターに近い登場人物ですから、何があっても、まず死なないと予想できる人物です。実際、真希は実際渋谷事変をしぶとく生き残っています。

しかし、ただ生き残るなんてことは、呪術廻戦の──というか芥見下々先生の物語ではあるはずもなくて、呪術廻戦原作版の149話では、そんな真希と真依に悲劇が襲います。

禪院真希と禪院真依は、禪院家の、かねてよりの騒動に巻き込まれる形で、実の父親の手によって命の危機に瀕してしまいます。

真依は早々に負傷し、勇んで父親に挑んだ真希も返り討ちにあってしまいます。二人の父親は、二人を呪霊に食わせる選択をし、ある部屋に放り込みます。死までの静かな二人だけのひとときが訪れますが、この時劇中における双子という存在が、呪術師としてなぜ不完全であるのかが、真依より明かされました。

劇中における双子の意味

設定としては、シンプルなものです。

呪術師の家系に生まれた双子は、呪術的に二人ではなく一人とみなされる。しかし、実際にはそれぞれが別の人格を持つことから、足並みが揃わず、呪術的には足をひっぱりあってしまい、能力を発揮できない、というものでした。

これについて、禪院真依は先に気づいていた描写があり、真希に指摘する形で、自身が現世から去ることで、真希を一人にし、その能力──天与呪縛のフィジカルギフテッドを最大限発揮できるように仕向けました。

真依は自身の命と引換えに一振りの刀を生み出し、かつて自身が望んだ「手を放さないで欲しい」という、思いとともに真希に託します。

その結果、真希はパパ黒=伏黒甚爾に匹敵する最強の肉体を持った呪具使いへと開花することになりました。

劇タイトルの「葦を含む」は下記の通りの意味になります。

つまりは真希さんは準備万端てことですね。真依のおかげで・・・。

しかし、この展開はとんでもなく胸が苦しいものです。

果たして真希はその事をどう感じたのでしょうか?

真希が願っていたもの

禪院真希が禪院家を出て、不完全ながらも呪術師として奮起したのは、自分たち双子の立場を良くしようと考えてのことだったと思います。禪院家の当主となった暁には、真依も心健やかに暮らせる日々がやってくるのだ、という希望もあったことでしょう。しかし、真依は彼岸の彼方へと旅立ち、その願いは永遠に叶うことが無くなってしまいました。

呪術廻戦では、しばしば、何かを得るために何かを失うという関係が描かれていますよ。天与呪縛フィジカルギフテッド=呪力を失う代わりに肉体が強靭なものとなる等は、それを良く表しています。

これは要するに、劇中のキャラクターが何かを得るためには、必ず何かが失われるということでもあります。ひょっとしたらパパ黒も何かを失って、あの力を得たのかも知れません(恵の母とかね)。

そして、今後も呪術廻戦では、キャラクターが求めるものを手にするとき、必ず何かを失われる描写があるのでしょうね。それはドラマ構造的には全く正しいのですが、読者やキャラクターとしては、シンドいことになりそうですよね。

──というか、次は誰が何を失い何を得るのでしょうか? いやいや、そんな妄想はやめましょう。

真希が真依の死によってつないだもの

真希は思った以上に早く、伏黒恵から当主を引き継ぎそうですね。

そういえば、真依の「依」は、依存の依でもありますが、慈しむものであり、助力や、安らぎや、変わらぬものも表しています。真希にとっての真依がそういうものであるなら、彼女は託された刀を手放すことなく戦うことで、その名の通り、自身を真の希望についで安らぎを得るのだと思います。

劇中の真希が、託された真依の想いに応えつつ、幸せな結末にたどり着くことを願うばかりです。

それと、もしかしたら真希は真依の死によって託された呪いに応える形で、物語の終わりには全部壊して普通の人に戻るかも知れない。あるいは──とかいろいろ考えてしまいました。

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