リゼロで聖域のお話が引き続き展開しています。
引き続き興味深く、面白くみさせていただいているんですけど、気になるところもいくつかあって雑感。
リゼロの面白さはスバルくんの苦難にある
私は以前、リゼロの面白さは、すべてスバルくんののたうち回るような苦難に集約する、という話を書いたんですが、聖域編ってちょっと違いますよね。
アニメのリゼロシリーズにおいて、はじめて本格的にスバルくん以外に視点が置かれることになった(氷結の魔女とかあるけどね)。
そうしたときに、やっぱり尖ったナイフのようなむき出しの面白さみたいなものは薄まっていくんですよね。
スバルくん一人にスポットがあたっていたときは、物語というのは常に「何故?」「何故?」「何故?」なんですよね。視聴者はそこにずっとのめり込んできたわけです。
それが、エミリアやガーフィールや他のキャラに分散され、彼らの内面が描写されることで、どうも落ち着いてしまう。
原作を見ると、あっちは三人称風にかかれているので、必ずしもスバルくん主観という訳ではないっちゃないんですけど。。過去にも、ラムレムや剣聖の話とかあったしね。
死に戻り以外で面白いと思わせるにはテクニカルな構造が必要
見ていて思うのは、たとえば進撃の巨人とかも同じように主人公グループの苦難を描くことで、面白さを演出している訳なんですけども、あっちもマーレ編に入って、視点が複数になったら小難しくなった。
そのへんは、多層的な物語の必然なんですけど、じゃあそうなったときにどうするのかと言うと、作者の自力というか「物語力」と「構成力」が物を言う訳です。
進撃の作者は、ドラマづくりがベースとして上手いんですよね。なので、物語が多層化しても、たとえばライナーやガビ側のドラマを書くことで興味を引きつけられた。
さらに、単なるミステリーじゃなくて、伏線の設置と回収をやってみせることで、主人公グループの危機的状況以外の箇所に驚きを設置してみせた。
しかし、リゼロという物語は、スバルくん視点でこそ楽しめるミステリであって、複数キャラクターの多視点に耐えられる物語になっていないかもしれない。
何がいいたいのかと言うと、エミリアが氷結した理由は非常によく分かるんですけど、あれはショッキングな1シーンであって、あんまりドラマとしてはベタで面白みがないんですよね。
これは小説という長い物語だからこその、構成の難しさがあるのかもしれません。マンガで描かれる進撃は短期間で面白いを作るために、展開が凝縮されています。そこがリゼロの難しいところだな、と。
異世界である以上主観は異物たるスバルくんがベスト
もしこのままのノリで行くのであれば、やっぱり異世界ものである以上、主観はスバルくんにあったほうが面白い。
ミステリのネタバレだけを複数視点で視聴者にしていくのは、ちょっと物語提示としてはしんどいかな。意外性ではなく、実はこうでした、と説明しているだけになっているので。
そうしない方向に持っていくなら、例えばエミリアやガーフィールはもっと羽目を外さないといけない。たとえば、彼女たちが、スバルくんの秘密を知ってそこから自分と世界とスバルくん疑い始めたり、敵対したり、あるいは敵の敵が味方になったり(ロズワールはそうなっているけど)。
ただまあ、基本的にはリゼロというのは、王道の騎士道物語になっているので、そうはならないだろうけど。
以上は、ファンの些細な小言でしかありませんが、いずれにせよ──はやくスバルくんののたうち回る様を見たいのです。
リゼロがつまらなくなった、なんて言われないためにも、早く・・・。