海獣の子供〜原作から溢れ出たそのアニメは見るものを深海色に染める

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海獣の子供をアニメで見るというのがどういうことなのか?それは、大画面で浴びるような素晴らしい映像体験が出来るってことですね。

この物語は、五十嵐大介という天才漫画家の描いた「海獣の子供」という漫画原作を映像化したものです。五十嵐大介は、その特別な才能でもって、理屈では説明できない幻想世界をリアルに臨場感あるように、時に生っぽくグロテスクに描く事に長けた漫画家サンです。

そういう作家さんの描く漫画は、ごくたまにアニメーションになったりするのですが、この「海獣の子供」もそんな幸福に恵まれました。さて各種予告やPVを見れば分かる通り、米津玄師の歌声に載せて広がる、海底の、大自然の、幻想的な風景は、見るものを圧倒します。四の五の言わずにその映像美を堪能するために出来ている映画です。

あらすじとしては「海獣に育まれた特別な二人の子供と、思春期の少女が出会う。少女は二人に導かれるようにして、地球上の生命サイクルの節目に立ち会い、奇跡の瞬間を目の当たりにする」というお話。なんのこっちゃですが、ようするに少女はそこでひと夏の幻想体験をして成長をするお話しです。身体的な描写のアレな感じまで魔女宅とおんなじです(雑)。ですが、視聴者側にしてみると、幻想体験が突飛すぎて成長どころか生命の奥深さに圧倒されちゃって、主人公の少女の成長はどっかにとんでいっちゃうくらいっです。

注目すべきは、その絵ですよ、絵。 アニメーション。手書き描写。ペンタッチ。どう説明すればいいかちょっと困るのですが、原作の漫画のタッチをそのままカラーにして奥行きとアニメーション的リアリティを与え、音と息遣いをつけて動かしているんです。なんかもうとんでもないです。ポニョとはまたベクトルの違う体験です。見ていて気持ちいいんです。

よくぞここまで五十嵐大介世界をつくってくれたものだ──なんて思いました。その一部は、米津玄師のテーマ曲「海の幽霊」のYou Tube PVを大画面で見ることで堪能できます。

AmazonPRIMEで配信中。PVを見てビビッと来たら、ぜひ本編もご覧ください。

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