弱キャラ友崎くん1話〜2話見ました。
難しい題材を今っぽくまとめようとしている作品だな〜、という印象。
ただ、私周辺の反応は拒絶反応がものすごい強い人たちがいるので、そのあたりについて雑感をつらつらと。
ポスト俺ガイルの1つ?
昨今はやりのキャラ学園モノですが、その金字塔は俺ガイルですよね。
傾向として、あの作品以降「クラスの知的陰キャが活躍する話」というのが、一つのジャンルとして確立されたかと思います。
で、その俺ガイルに続く作品の一つであろう「弱キャラ友崎くん」は、すごいラノベTOP10入りを経て、人気を博して、アニメ化までこぎつけました。
それらのキャラ学園モノ作品の特徴は「学生時代の悲喜こもごもに、ロジカルな解説をつける事」ですよね。
俺ガイルの主人公比企谷八幡は、青春は嘘と断罪した上で、自身の周辺事象を解説し、斜め上の解決をし、更に、自分なりの嘘ではない青春を手にしてみせた。
そしてこの弱キャラ友崎くんというキャラクターも、ゲーマーとしてのチート的集中力や試行錯誤の力を応用して、劇中イベントに導かれるままに、世界の解説と、問題解決をして見せて、強キャラへの道を突き進むのであろうと思います。
しかし、友崎くん、第一話はいろいろと拒絶反応が出たヒトもいたみたいでした。
リア充を目指すことは幸せなのか?
第一話において、一番の拒絶反応が出たポイントは「努力してリア充を目指すことが幸せかどうか」ですよね。
僕の周辺だとここに噛み付いている人たちが多かったです。
友崎くんは、ヒロイン日南の導きによってリア充をめざすことになったんですけど、果たして、それってすべての人にとって幸せなの? という疑問が出てくるのは納得できるところがあります。
その裏外にあるのは、言葉通りの幸せとは何か?という問いかけと、後もう一つ、学生時代のリア充への嫉妬や嫌悪があると思うんです。
学生時代にスクールカーストの上位にいる連中が、必ずしも魅力的な人たちだったかというと、そうではないですよね。若くして、ある種の美貌や身体的能力や、頭の回転の良さがあった故に、リア充であった人たち。劇中でも触れられていますが、スタートが違うのでリア充だったと。
それらをひっくるめて「そうなることが幸せかどうか?」 という問いかけが建前の拒絶反応でしょう。
もう一つは、今にして思えば大したこと無いと思える学生時代の上位者に対する、そうなれなかった自分への後悔と、彼らへの嫉妬ですよね。
いろいろと感想を見ていると、そういうものが、入り混じってにじみ出ている感想だな〜というのが、世を見た時の印象でした。
第一話から色々いわれてますけど、思うに、今後の展開が「ありきたりな薄っぺらいリア充」にたどり着くのか「本物の魅力ある人物になるのか」で、作品の価値が変わってきそうなんですよね。
日南と友崎くんは、まだ途上のキャラクターですよね。日南はああ見えて何かを抑圧していて、やらかしそう。一方の友崎くんは、明らかな発展途上です。
原作未読なんですが、そのあたりを差し引いても結構面白いとおもうんですけどね、現時点で視聴脱落者いっぱい出たかも、と思っています。
これはやっぱり【リア充】という言葉が先に出すぎてしまった弊害かもしれません。
昨今流行りのスタイル
それにしても、最近の物語というのはライフメソッド要素のあるものが、とっても多いですよね。友崎くんは、リア充HowToに話を振ってきていますが、基本的に今の時代、より良くあるために、正しい解決法を見せる、というのは一つのコンテンツのトレンドなのでしょう。
問題は、HowToというのはひととおりやり尽くしたら、必要ではなくなることです。今はHowTo要素で視聴者を引っ張っていますが、その後、全部やり尽くしたら物語は終わってしまう。そのあたりの展開がどうなるか、気になるところです。
また、こういう作品は、お話が進むにつれて、テイストがガラッと変わる物語だと思うんですよね。とくに友崎くんはその要素が濃そうです。
ま、俺ガイルもそういう要素がありましたけど、基本的に、あれは初期の時点でそれぞれのスタンスは確定していた。はちまん、ゆきのん、がはまさんは、スタート時点でほぼキャラは出来上がっており、あとは、踏み出すかどうかだけの物語だった。
対して、弱キャラ友崎くんは、どう見ても変化と変遷の物語ですよね。その転がり方次第でも作品の良し悪しはほんとうに変わってきそうです。
実はちょっとしたスリラーに見える友崎くん
で、リア充の良し悪しや、展開良し悪しのの話がありますが──それよりも僕がもっと気になったのは別の所だったりします。
この作品は、今のところ日南からリア充になるための課題を提示されて、それをクリアする物語になっているんですが、どうもそれが実地に入るとエグい。
どうエグいのかというと、友崎くんと他の女子キャラなり男子キャラなりとのやり取りの間に、共感性羞恥がこれでもかというくらい転がっている。
友崎くんの陰キャ演技がリアルすぎちゃって、もうハラハラしっぱなしなんですよ。そっちのほうが気になった。。
この手の陰キャが背伸びする物語って、劇中で何か失敗した時のダメージは、視聴者にも跳ね返ってくるんですよね。
そのへん、比企谷八幡は強かった。共感性羞恥なんて微塵も感じさせない、キレのあるツッコミで世のリア充を処断してきた訳です。
対して、友崎くんはそのリアリティのある演技でもって、オドオドゴニョゴニョしています。そのうち何か地雷を踏んで、盛大に爆死するんじゃないかという恐怖がある。
そういうリアリティーがある。えー、なにこの共感性羞恥スリラー?
しかもこれ、友崎くんだけじゃなくて、レギュラーキャラ全員に発生するんじゃないかと予想しています。というか僕は日南の振る舞いにすら、スリルを感じます。あいつ、偉そうにしているけど、何かやらかすんじゃないのか? と。
ま、これもキャラが成長すると無くなるんでしょうが、今しばらくはそのあたりがしんどいんじゃないか、と僕は思いました。
いずれにせよ、まだちょっと判断は早いので、今しばらく視聴を続けようと思います。
せめて、共感性羞恥スリラーが終わるくらいまで。
追記2020.2.2:共感性羞恥が薄らいできたので、追加記事書きました「弱キャラ友崎くん〜主人公がいい子で結構面白い作品だよ?」