なぜアイドルグループのタレントは、集団だと可愛く見えるのに、個人だと残念なケースが存在するのか?

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アイドルグループに対して、もしかしたら完全に喧嘩売っているタイトルで恐縮です(恐縮していませんけど)。

特定グループが、集団でいる時は可愛く見えるのに、個人になるとそれほどでもない、と思ってしまう現象は、正直な所、皆さん誰もが心当たりのある話ですよね。

今回はそんなお話についての、いわゆる薀蓄です。

アイドルグループの集団と個人の差

アイドルというのは、ルックス以外でもファンを魅了るす訳ですが、一方でグループと個人における顔の魅力というのは、時に残酷なまでに落差を生み出しています。

センターですらそうです。

そんなアイドルグループの個人と集団の魅力の落差についてですが、──実は名前があって、研究までされたことがあるんです。

それをチアリーダー効果といいます。

チアリーダー効果 / cheerleader effect

チアリーダー効果とは、複数の人が集まると、そこにいる人たちが、実際よりもさらに魅力的に見えてしまう心理効果を言い表しています。これは、名称のとおり、チアリーダーのメンバーが集団になることで、互いを引き立て、より可愛く、より美しく見えるようになってしまう、というお話ですね。

実はこれは、2005年にアメリカで放映された「邦題:ママと恋に落ちるまで/How I Met Your Mother」劇中場面に由来しています。

あるシーンにおいて人物が指摘した「特定グループが、最初は魅力的に見えているが、個別に見てみると全員が魅力的ではなかった」というお話から広まったものでした。

このドラマをきっかけにして同研究は、注目されるようになったんです。

どんな研究?

さて、チアリーダー効果において、研究者たちはどんな研究をしたのでしょうか?

研究者は、参加者に対して、グループ写真と個人写真をランダムに見せて、対象のルックスについての印象を評価するテストをしました。そして、全般的にグループ写真の方がスコアが高いという結果を得たのです。

この効果は、男性だけのグループ、女性だけのグループ、男女混合のグループ、小さなグループ、大きなグループのいずれでも生じました。また、4人のグループでも16人のグループでも同じ程度の効果がありました。

分析をしてみると、評価者は、グループ内の魅力的な人を、魅力的でない人よりも多く見ていました。現象としては、周囲の人たちのルックスの印象が、他の人物に派生した結果、グループとしての評価が上がったものと考えられました。

認知の相互作用が引き起こすマジック

研究者たちは、この効果がいくつかの認知現象の相互作用によって生じると考えました。

人間の視覚システムは、集団の中の顔を「群体」として捉えているといいます。そして、グループにおける個人の魅力についての知覚判断というのは、そのグループの平均値に引き寄せられるのだと言います。

人は基本的に、平均的なルックスをもった人物を最も魅力的に感じる傾向があります。つまり、チアリーダーグループにおいて観察者がもっとも追いかける魅力的な人物というのは、その群体において、もっとも平均的なルックスをもった人物になるのです。

そして、その平均的なルックスのイメージは、そのグループ全体に派生して、群体の魅力を高めるのだといいます。

極端な話、魅力的でないルックスの人たちが集まっても、人はそれらの顔をあわせて平均値を見出し、グループとしては魅力的に感じてしまう。さらには、平均値の引っ張られる形で、グループ内の魅力的でない個人も魅力的に見えてしまうのだと言います。

回りくどい相互作用ですが、たしかにちょっとわかる話ですね。

以上のような形で、アイドルグループというのは、個別よりもどうやっても群体の方が、グループとしても個人としても魅力的に映るのだといいます。

非常に興味深いお話ですが、しかし、これを聞いた後にアイドルグループを見てしまうと──タレントによっては、ちょっと冷静に見れなくなってしまうかも知れませんね。

それでも、彼女たちが魅力的であることには代わりありませんけどね。

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