呪術廻戦の人気に陰りなどありません。
なぜならば──呪術廻戦は群像劇なので、我々の目にする至るところに、キャラとキャラの尊い組み合わせが生まれるからです。
という訳で今回はメカ丸と三輪霞を取り上げてみたいと思います。原作ネタバレもあるので、アニメしか見ていない人はお気をつけください。
まずは、それぞれの雑プロフィール。
三輪霞
呪霊を払い、人ならざる技を使いこなす強キャラばかりそろった呪術師の中にあって、唯一「マンガっぽい普通の女の子」がこの三輪ちゃんのキャラクターです。
家は貧乏で弟が二人いて、呪術師としては中学の頃スカウトされたという経歴をもつ。ご存知のとおり、ミーハーで五条悟のファン。能力はシン・陰流という流派の剣術をベースにした刀剣の格闘術。三級呪術師。禪院真依、西宮桃と仲がいい。それ以外のプロフィールはあまりない。
キャラクターとしては、京都校との交流戦前後で、学長の楽巌寺嘉伸の付添として登場する。その後、真希パイセンと戦闘に陥るが、キャラらしいダメダメな振る舞いで、真希に退けられた上に、狗巻棘に気絶させられている。
で、ポイントはその呪術師としてのあざとかわいい振る舞い、ではなくて、天真爛漫で等身大であるがゆえの、読者や周りに与える癒やしですよね。
彼女は、メカ丸と交流する中で、メカ丸に大切なものを与えてくれました。それは後述しますが、その前にメカ丸も軽く説明。
究極メカ丸
正確には究極メカ丸というが、本名は別にある。
京都呪術高専の二年で、準一級の呪術師。その外見は見てのとおり中身はなくてロボットで、本体は別のところにあって、ロボットを遠隔操作している。中の人は生身の人間である。先天的な身体の欠損や不自由を引き換えに高い呪力を得た「天与呪縛」の持ち主。生まれつきの半身不随、肌の弱さ、痛みのある肉体をもっていて、その引き換えに、呪力によって人型ロボットを動かすことが出来ている。
本人は全身が包帯でまかれ生命維持装置に繋がれて、とある地下室にいる。京都校の生徒とは仲が良い。さらにいうとその中の一人である三輪ちゃんは、メカ丸に対しても普通の友人と同じように接してくれたことで、彼は非常に彼女に感謝しており大切に想っていた。
夢は健康な肉体を手に入れて仲間に会うこと──。
で、メカみわという組み合わせ
メカ丸は、学生生活を送りたいのに、仲間たちと会うことができない。
そして三輪ちゃんは、普通であるがゆえに京都校の面々と、せめて普段は普通の高校生活を送りたいと考えていた。その振る舞いが、そこかしこに表れていて、それはメカ丸にも別け隔てなく与えられた。
それが、生まれてこのかた満足に生身のまま外に出歩いたことのなかった、メカ丸に救いを与えた。
まずここが尊い。これは惚れるわ。
んで、ここからネタバレです。
実は、メカ丸くん──本編の敵対勢力である夏油傑・真人らに裏で通じて情報を流していた、スパイだった。目的は、真人の無移転変によって、五体満足な身体を手に入れる為。彼は、健康な肉体を手に入れるためには、喜んでその呪力を悪しき者たちの行為にも使っていた。
そして、念願かなってメカ丸は健康な肉体を手に入れるが、同時に呪霊側との約束だった「呪霊は京都校の生徒らを傷つけない」というルールがやられたことで、夏油・真人らに対して反旗を翻す。
そして、仲間のために、仲間と会うために、仲間の元へむかうのだけれど──しかし、夏油と真人のコンビにメカ丸が叶うはずもなく敗れ去る。
多くの物語においてそうであるように、いちど仲間を裏切った彼は、例え善い行いをしたとしても、本当に欲しかったものには手が届かなかった。
結局、彼は仲間に会えなかった。
彼は三輪にメッセージを託して消えた。
究極三輪ちゃん
さて、そのあたりの切ない展開はぜひ本編で改めて確認してほしいんですが──つい昨年末の原作128話あたりで、三輪ちゃんはメカ丸から呪いを受けているんですよね。
すなわち「幸せになってくれ」と。
彼女はメカ丸の言葉を受けて、ダメな子からもう一つ上のフェーズに向かうんじゃないかと思うんですよね。何故ならば、呪術廻戦の劇中において、あらゆる死にゆくものから、残された生者への言葉は、生者を未来へ向かわせる呪いだから。
その結果、彼女は幸せを目指すしかなかったりするんですが、それがメカ丸の願いの通りのものなのか、あるいはそうでないのかはまだわかりません。
しかし、少なくとも渋谷事変以後は、ガラッと主要メンバーが代わり、そこには進化した三輪霞がいるんじゃないかなって。
それもまた切ないけどね。
追記20210217:アニメ版にあわせて別で三輪ちゃんの別記事書きました。似たような内容ですけどね。呪術廻戦〜三輪霞に込められた癒やしと呪いについて