呪術廻戦、面白いですね。──じゃなかった、いつもこの書き出しで書いているので癖になってしまった(ホントに)。
今回は、古今東西数ある映像作品の「第二作目」についての記事です。映画ならパート2。TVなら二期ってやつですね。それらが何故スベリがちなのか?何故、二期というのはつまらなくなることが多いのか?
それについて、思う所をごく短く。
二期や二作目はなぜスベリがちなのか?
最近も、一作目が評判だった作品がやっていますね。
映画やアニメの続編については、しばしば言われることがあります。
二作目というのは、一作目の評判がよかったからやる。そういう話ですよね。
製作は商売ですから、それは全く正しい話です。
そしてファンは第一作目放映後に、二期放映の確定、あるいは映画化等の情報を見て、一喜一憂する訳です。最近だと、映画化へ向かう流れが多いですが、映画化というのはTV番の二期をやるよりもコスト的なリスクが少ないんでしょうね。
で、満を持しての二期放映で──それがパッとしない事ってしばしばありますよね。最近だと、ゴニョゴニョとかが、ダダ滑りしてましたよね。ファンからとっても叩かれていたり・・・。また、そうでないにしても、どうもパッとしない印象があったりします。
それは、何故か。
大きくは3つあると思っています。
1.二期までの期間が空いてしまったことで熱が覚めると滑る。
2.一作目に感じた新鮮さを上回らないと二作目は滑る。
3.製作サイドが調子に乗って口出し&参加しはじめて滑る。
概ねこんな感じでしょう。
一つ一つ解説していきます。
二期までの期間が空いてしまったことで熱が覚めると滑る。
これはもう言うまでもない話ですよね。日本のコンテンツの場合、一期目は様子見要素がありますよね。もちろん全力でやる訳ですが、一期から二期までの間にかならず間が空きます。そうなると、その間に別のおもしろいコンテンツが発表されて、目移りなんかしちゃって、気持が遠のいてしまいます。
人はそんなに気が長くありません。一期に対する期待感というのは、すぐに解消されたいと願うのです。だからこその映画化というパターンが最近多いのでしょうけど、それよりもやっぱり二期を速やかにやってほしいと思いますよね。
2.一作目に感じた新鮮さを上回らないと二作目は滑る。
2つ目は新鮮さの話です。
多くの作品というのは、それを見る人たちは、その作品を初めて楽しむ人たちになります。
そして、映像化された作品というのは、既存作品に対して何らかの新規制があるとプロデュースサイドが考えて選んだものになっています。
製作者は、目新しさがあって売れると思った作品を投入する訳です。そして、視聴者はそこに目論見の通り「新しさ」を感じればヒットをする。こんなものは見たことがない等等。それが、映像化の醍醐味でもあります。進撃や鬼滅はポプテピやゾンビランドや呪術廻戦、それらの作品は原作を知らない人たちには、新しいものとして受け取ってもらえました。
しかし、それが二期になると?
当然、二期では、目新しさという切り口は使えなくなってしまいます。実は、連載モノの二期がしばしば陥るパッとしない印象というのは、これが結構大きいと思っています。
逆にいえば、1期にはない新鮮さや新規制を提示できた二期目の作品というのは、映画であれアニメであれ、ヒットしています。
例えば、ターミネーター2やバックトゥザフューチャー2という映画は、一作目を上回る切り口で、大ヒットしました。あれは造り手が二作目でやらなければいけないことをよく理解していると思います。あるいはSAO2(ファントム・バレットとマザーズロザリオ)は、いい意味で前作の単なる俺ツエー感を裏切った良作だったことで、評価を得たと思っています(少なくとも私はそうでした)。
つまり、新しさを維持できればヒットするし、そうでなければ、ヒットしない。そして残念なことに、多くの作品は「望まれて作った続編だからヒットするだろう」と、新鮮さを付与せずに二期をやって滑るという現象が起きていると思っています。ですから、基本的に「世のほぼすべての作品は出落ちである」くらいで考えたほうが、滑らないと思うのが個人的な考えです。
逆に長期連載モノは、スロースタートなのでそういう呪縛からは無縁です。ワンピとかドラゴンボールとかは、いかにダラダラつづけつつそれなりに楽しませるかというところに視点があるので、上記ルールはあてはまらないですよね。ちょっと毛色がちがいます。
製作サイドが調子に乗って口出し&参加しはじめて滑る。
3つめ。これもあるあるですが、たとえば最近のゴニョゴニョとかがそうですが、非常に一作目が大ヒットしたことで、気合をいれて体制にテコ入れしすぎたことで、前作の良さが失われて、一気に駄作となる現象です。
だいたい、ドル箱に目がくらんで製作委員会方式で、各出資者の思惑で体制がひっくりかえされると起こる現象です。すごーい!たのしー!とか、あと原作者がなぜか組み込まれたりするとね、映像制作について理解していないがゆえに、お話をめちゃくちゃにしてしまったりね。
個人的には、複数出資体制における金絡みの制作体制変更パターンと、文筆業系の作家が映像づくりにアドバイザー以上の権限をもって参加するパターンは、しばしば滑ると思っています。
とくに、一期目と監督や脚本家を代えるのは致命的ですよね。同じ体勢でやっても二期はハードルが高いのに、それで良くなることは少ない気がします。
漫画系の原作者が参加するパターンもありますが、そっちは完結したパッケージづくりになれているせいか、そこまで滑らない気がする。以上のような感じで、一期目というのは、少ない予算の試行錯誤の結晶ですから、作品がシェイプされるというのもあるかもしれませんね。
逆に言えば意識すれば二期&二作目スベリは回避できる?
以上のような点で考えたなら、逆に言えば上記3つを気をつければ二期目も良作になるのかもしれません。
一期が終わった後に
同じ体勢で
速やかに
一期とは別の新鮮さを付与して
作品づくりをすることができれば──
なんてまあ、すべてに対応することは無理でしょうけどね。
いずれにせよ、望まれない子が生まれないことを願うばかりです。